私のおすすめ

玖珂郡医師会報 平成6年1月
           玖珂中央病院   吉岡春紀


今年の医師会報の年頭のアンケートテーマは、わたしのおすすめであった。何といっても今年のおすすめはマックにつきる。
マックを扱っていてパソコンの虜になり、益々マックな人になって行くようある。
アンケートの項では書き足らないこともあるのでもう少しマックについて述べさせていただくことにする。
数年前までは私もパソコンといえばNECの98を使っていた。但し使うといってもワープロが主体でありワープロに関しては特に問題はなかったが、多機能のワープロ専用機が出てからはそれに頼ることが多く、パソコンは時にグラフを作成したり病歴の保存をしたりするくらいで、グラフなどもスライドにするには部屋を真っ暗にしてパソコンの画面を写真でとるなど苦労していた。
そんなとき学会でカラースライドを見てびっくりし、これがマックで作れることを知ったわけである。最近の全国学会では80%以上がカラースライドになっており大学の医局では大半がマックを使っているとのことであった。
そんなとき岩国のT先生がマックを使い始められたことを知り何度も夕方に遊びに行き、今までのパソコンの観念を打ち破るような使い方が出来ることがわかり、また遊び心も多い人間味のあるパソコンであり、勧められるままに私もマックを購入した。
その後の私はご存じのように毎日のようにマックライフを楽しんでいる。

そんなとき雑誌で今の私の心境をあらわした文章があったので転載させていただく。
なお、本文中の弟子とはけっしてK先生やF先生など特定の先生を指しているものではありません。


「マックに限らずコンピュータユーザーの世界では、その達人は師匠と呼ばれることが多い。
つまり実り多きパソコンライフを実践しているユーザーならば、いつかは周囲から師匠と呼ばれる日がやって来るのである。
マックな人、Y氏もそんなひとり。
周囲の誰よりも早くマックにのめりこんだ彼をマックの師と仰ぐ弟子は、最近のマックブームもあって激増中。老若男女を問わず数多くいる。とはいえ、この師匠と弟子の関係は、世間で言うところの徒弟制度とはかなり違う。
まず第一に、師匠と弟子の間に身分の差がない。ないばかりか、ときには弟子の方が社会的地位が高いこともある。ついつい弟子に便利に使われがちである。弟子の気楽な質問に、身を削り、応える師匠の姿は、どこかマゾヒスティックだ。
マックユーザーの多くは、純粋に良いものを知ってもらいたい一心で、他人にマックを勧めることが多く、そこからこの師弟関係がスタートする。そこに危険なワナが潜んでいるとも知らずに。
他人に勧められてマックを知り、購入に至る多くの輩は、その一部始終を勧めた人間におまかせする傾向が強い。いいよ、わかったよ、キミの言う通りマックにするから。で、どの機種がお薦め?ソフトはどれとどれが必要なの?
なかには、マックでボクは何をすれば良いの?なんてやつまでいる。
頼られたマックユーザーは自分の大好きなマックが認められたことに有頂天で、すぐに使えるフリーウェアやシェアウェアを大量に用意してやるばかりか(大きな声では言えないが、気に入ったら買うんだぜと言いながら、時にはソフトの違法コピーまでしてやる)、さらにマシンの購入、搬入、セットアップまで付き合うことも多い。アップルの営業マンでもないのに、なんでそこまでやるかというほど懇切丁寧に世話を焼く。ほかのことでは絶対に見せないマメさで。
こうして(消極的な)弟子と(マメな)師匠の新たな関係が生まれる。
しかし仮にも師匠となると大変なのである。なにしろ消極的ユーザーば教えは乞うが、あまり自分で学ぶことはしない。そのくせよく文句をたれる。・・・以下略 」
     藤原鉄頭著 「マックな人」 発行;毎日コミュニケーションズ 1200円 
       より無許可で転載


このように、誰でもがマックを使い始め、ある程度理解すれば(それまでにあきらめなければ)自分一人で楽しむのは悪いような気持ちになり誰か同好の士を造りたい誘惑に駆られるのがマックである。
但しマックは、はまりこめばはまりこむほどお金がかかり現在私も、病院の院長室、外来の診察室、当直室、自宅と4台のマックを抱える羽目となってしまった。

最近の傑作ソフト;11月に購入した医学書院の「今日の診療」というCDROMのソフトはかなりのものである。
同社発行の「今日の治療指針94.93、今日の診断指針、今日の小児治療指針、今日の検査指針、治療薬マニュアル、救急中毒マニュアル」の7册すべてが1枚のCDROMに納められており病名や薬等から検索可能であり、必要なら自分のプリンターで印刷も可能であり、図表もカラーで見ることが出来る。
また心エコーの断層写真などはムービーで動きも観察できる。ネックは価格が74000円でCDROMとしては少し高いが本を全部買うとしたら安いのかもしれない。
本棚からあの分厚い本を取り出して調べるのに比べれば、出来ればこれを外来の診察室に置いておきたいと思っているこの頃である。(外来の機種はCDROMが使えないのである)
以上思いつくままにマックの宣伝をしてしまったが私はマックの会社や販売店からは何のお礼も未だにもらってはいない。
追記;今日の治療指針は最近版は値下げしています。


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