−医療現場におけるパーソナルコンピューターの活用− 

   その2 インターネットの経験と活用法

岩国、玖珂ドクターズMAC同好会

  玖珂中央病院 *吉岡春紀、山下秀治
  河郷診療所  河郷 忍
  錦病院    玉田隆一郎、川野 亮
  岩崎内科医院 岩崎皓一

 昨年より「インターネット」という言葉を盛んに聞くようになりました。これは、コンピューターネットワークによる情報通信革命が、一般市民レベルまで広がり、この流れが今後一層進むことを意味しており、我々医療関係者も無視することは出来ない時代になるともの思います。

 今回は、今後の医療情報ネットワークとして県医師会が取り組もうとしているインターネットについて、少しの経験ですが活用法や問題点を述べたいと思います。

 まずインターネットでは何が出来るかについて述べます。インターネットは、コンピュータのネットワークで構成されていますので、通信機能が基本的なサービスになります。

 電子メールは、その名の通り電子郵便システムです。文字とともに画像も送信することが出来ます。医療現場では医師会広報、連絡、病診連携の情報提供、症例検討などに利用できると思います。図の様に電子メールでは、送信者Aはいったんサーバーのコンピューターにメール送って保管しておき、受信者Bは自分宛のメールだけをパスワードを使ってサーバーから得ることになります。この利点は世界中どこにメールを送っても電話代はサーバーまでのわずかな電話代ですみます。

 次にWWW(World Wide Web)は、最近最も関心をもたれているインターネットのサービスです。これでは、テキストはもちろん、画像・音声・動画を同時に取り扱えます。ホームページと言う各自の情報源を登録しておきますと利用者は関心のあるホームページを選択し文字や絵をクリックすることにより、様々なネットワーク上のサーバから、目的の情報を得ることが出来ます。

現在、都道府県医師会、郡市医師会、医療機関でホームページも徐々に増えています。

 私も今年3月から玖珂中央病院と玖珂郡医師会のホームページを開設しています。スライドは病院のホームページで病院紹介や一般向けの病気の説明、ドクターズマック同好会の活動、私の自己紹介などを載せています。

 これは玖珂郡医師会のホームページで県内の医師会としては初めての開設でした。これには医師会の歴史、活動報告、休日当番医案内、施設案内、研修会案内などと、一般向けの医療制度の仕組みなどの説明を載せました。他の医師会関係のホームページの地図も出来ており目的の医師会名をクリックするだけでそのページを見ることが出来ます。

 赤の都道府県で医師会のホームページが出来ています。

 その他医療関係のページを簡単に紹介します。これは大学医療情報ネットワーク(ユーミン)のページで医薬品情報、副作用情報、医学、医療の報告書など内容が豊富です。民間にも医療情報サービスがありドクターズネットや、学術情報センターのページでは文献検索や、情報検索ができます。その他各大学、学会、厚生省などにもホームページが出来ています。

 いずれもテキストや画像はそのまま自分のパソコンに取り込めますので自分なりにテキストの利用が可能です。

 山口県医師会でも新しい医療情報ネットワークとしてインターネットの利用を考えていますが、情報発信としてはホームページに何を載せるかが一番重要だと考えます。

 県医師会、郡市医師会、各医療機関でのコンテンツの分担も検討する必要があります。まず県医師会の先生方にインターネットを理解して頂く目的で、ホームページは広報活動のメディアとして使用するのが良いと思います。次に一般市民向けのわかりやすい医療情報も必要です。またその中には医師会員のみがアクセスできる情報も必要と思います。救急医療ネットワークをインターネットに取り入れるかどうかは、もっと使う者の意見を取り入れたシステム作りが必要です。

インターネット導入の論議は行き着くところ「医師会がインターネットを使い何するのか」ですが、これに対する明確な答えはまだありません。

 今後の方向として、全ての会員にすぐにインターネットを利用するシステムはまだ難しいと思います。周辺の通信環境を整えながら、まず個人のレベルでインターネットの便利さ、おもしろさを経験してもらい、正確な知識・経験・技術を持っている人を増やし、会員の理解を得ながら、順次段階的に導入する方法をとるのが賢明だと思います。

以上インターネットの利用について、我々の経験を紹介しました。時間の関係で詳しい説明が出来ませんでしたことをお詫びします。


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