差し迫って政府が今回の国会で考えている、
1.保険料のアップ・老人医療費の自己負担アップ・本人の2割アップ
薬剤料1日1種15円等の問題
と
2.根本的な医療制度の改革と国民への説明と納得
は別問題で考えないと成らない問題だと考えます。
これを一緒に短期間で審議すれば国民の納得する改革は出来るわけがありません。その場しのぎの審議と言わざるを得ません。
我々は今回の政府の改革案は患者負担を増やすだけのその場しのぎの改革であり、医療費の財源不足をその根拠にしていますが、多くの資料で負担を増やす前にやれること、やらねばならないことがあるはずだと思う
からです。
高齢化社会において医療費の「のび」を抑えることばかりに審議が進められれば本当に必要な医療を医師も患者も選ぶ権利を奪われることになるからです。
1.高齢化社会で国は国民の健康維持と福祉にどの程度の負担が出来るのか
またしなければならないのか
2.これで足らない部分は患者負担に回すのか、別の制度を導入するのか
高齢者にも若者と同じ負担を強いるのか
高齢で民間の保険も入れず入院給付がつく年令とは異なると思います。
3.医療制度の無駄な部分はどこにあるのかの審議
薬価の問題・まず取り組むのは薬価の問題でしょう。
老人の在宅福祉と医療、ディケア・ディサービスの医療費は適正なのか
長期の病院入院がはたして医療費を押し上げているのか
むしろ他の施設の方が今後は医療福祉費を圧迫するようになるのではないかと危惧します
患者側の認識
重複受診や治療にたいする注文の複雑化
全てを無駄と考えるのか
早期発見や誤診の予防対策、受診者の安心感、満足感などについてはある程度の
一見無駄な行為も医療にはあり得ると思います。
アメリカでの外来手術に見られる部分的な外国の医療の紹介が良いのか
医療制度の根本的に違う国の一断面のみを強調した事例であり国民保険
がなく・医療費が日本の数倍も高いアメリカでは入院したいが出来ないので
仕方なく外来手術を受けている場合もあること
一部には入院費が高いので近くのホテルから通院している実体
その場しのぎの数字あわせをしている状態ではないと思います。
マスコミも特集を組むならばもっと取材をし、勉強をすべきです。
今回の特集は政府の誘導のような気がしてなりません。
平成9年4月24日 玖珂中央病院 吉岡春紀