大豆油インキは、1980年代に米国における環境保護運動の高まりと農業団体の大豆油製品拡大の意図のもとで開発され、新聞インキを中心に普及してきたものです。
この大豆油インキは、従来よりインキ溶剤として使用されている鉱物油の代わりに大豆油を使用したオフセットインキを指し、大気汚染の原因となるVOC(揮発性有機化合物)削減を目的として開発されました。
現在、米国では新聞印刷の1/3以上が大豆油インキを使用し、その普及度は枚葉インキだけでなく、ヒートセットオフ輪インキにまで広がりを見せています。
<大豆油型インキの長所と短所>
●長所
1.色の鮮明性が増す
2.機上安定性が良い
3.用紙適正が良い
4.後加工適正が良い
●短所
1.セットが遅い
2.乾燥(酸化重合や蒸発乾燥)が遅い
3.原材料費が上がる
<大豆油インキの背景>
1970年代後半のオイルショックを契機にして、米国新聞協会で新聞インキ中の鉱物油を大豆油に変えたインキの開発を目指したのが始まりです。即ち有限の資源の石油から大量に収穫できる大豆油に変えるというものです。この背景としては次のことが考えられます。
1.米国農業の救済のために大豆油を使う。
2.大気汚染の防止をはかるVOC規制により蒸発性の石油油系溶剤から不揮発性大豆油に変える。
米国大豆協会(America Soybeam Association = ASA)が規定しているインキ中の大豆油含有量は次の通りです。
オフ輪 インキ 7%
枚葉インキ 20%
新聞インキ 40%
新聞インキ(カラー) 30%
ビジネスフォームインキ 20%
上記の基準を満たし、米国大豆協会に認定されたインキはラベルに SOY OIL のシールを貼る(印刷)ことができます。
またこれらのインキを使用した印刷物には、米国大豆協会に申請した上で認定を受け、SOY INK のシールを貼る(印刷)ことができます。
当社ではこの認定を受け、印刷物に SOY
INK のロゴマークを印刷しています。
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