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明確な起源は明らかでないが、既に紀元前3000年ごろエジプトで使用されていた。これらは、機能的にも外観的にも、現代のイスに比して大差なく、約5000年前に、今日のものと近似的な原形がつくられていたと言える。その後メソポタミヤ・アッシリア時代には、精巧な技術に、さらに、象牙や金属片そ象眼もおこなわれ、当時の高い工芸技術水準を示している。イスは又、本来の腰掛けとしての用途の他、権力と階級の象徴としてもつくられたと考えられる。
ギリシャ・ローマ時代には、木製だけでなく、青銅、鉄、大理石によるものもつくられ、形態は座面、背面に曲面をもち、柔らかみのあるものとなっており、クッションも用いられていた。
中世は、ビザンチン・ゴシックなどとの建築様式と大きな関連をもち、教会用のイスに特徴がある。イタリア=ルネサンスにはいると、用途によって種類も多く、材料、技術ともに長足の進歩を示した。18世紀にイギリスでは、木製家具がめざましい発展を示し、現在の木製家具の原型をつくりあげた。19世紀には新思潮の影響と機械的技術や新素材の開発など各種の要素が相まって、素材としての鉄・パイプなども使われはじめた。産業革命後には、機械による量産が底流となり、第一次世界大戦後ドイツに起こったバウハウス運動、さらに第二次世界大戦後は、戦時中に軍事用に開発された新素材、新技術の転用による成形合板、プラスチック=モールドなど、これまでになかったイスの造形が生まれてきた。
日本では、古く武士が野戦用に使用した床几(しょうぎ)があり、鎌倉時代には、中国から仏教とともに伝来した仏具のなかに院内で使用する局ろくが含まれていて、これらが日本におけるイスの起源と考えられる。しかし日本の生活様式がイスを必要としない床座式のため、イスは家具としての発展をみずに明治時代を迎えた。開国と同時に、西欧人の渡航、文明開化の風潮によって普及、官庁・学校・公共建造物におけるイスの使用がそれに拍車をかけた。現代ではイス、ソファーは生活するうえになくてはならないものになった。
それ故歴史からも分かるように使い捨てのイス等が出回っているのは嘆かわしいことである。イス、ソファーは個人各人のライフスタイルや体型その他にマッチングしたものでなくてはならない。下記写真は現代までに至るイス、ソファーの一例である。
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参考文献 小学館 世界原色百科事典、理工学社 西洋の家具、学研 輸入家具
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