フィフス・ホィール・トレー ラーの基礎知識

●トレーラーとは
 トレーラーとは、通常の使用状況 に於いて車体の切り離しが可能な連結自動車の事を云います。だから連接バスの様な切り離しが不可能な車両はトレーラーと呼びません。世界で最初のトレー ラーは、オーガスト・フルハーフが第1次世界大戦頃にT型フォードの車体を延長し5thカプラー(の原型)を取り付けて小型の荷車を牽かせた物と云われて います。その後、トレーラー専門メーカーのフルハーフ社を操業しました。トレーラーの元祖は5thトレーラーで米国産まれです。
(余談ですが、日本フルハーフと云う日軽といすゞの子会社で在る日本のトレーラーメーカーは、米国フルハーフ社の技術供与を受けて操業され ました。)



●セミ・トレーラーとは
 荷重をその 車体自体とトラクタ側で分担して支える構造のトレーラーの事です。セミトレーラに付いている連結器(キングピン)をトラクタの連結器(カプラー)に連結し てけん引されます。
 <第 5輪荷重>
 トレーラーを連結した際トラクタのカプラーにかかる重量の事です。貨物車単体の「最 大積載量」に相当します。

●フル・トレーラとは
 荷重を全てその車体だけで支える構造のトレーラーの事です。ドーリー方式とセンター アクスル式が在ります。大部分のトラベルトレーラーはセンターアクスル方式です。
 <センターアクスル式>
 センターアクスル式は、トレーラの車体の中央(センター)に車軸(アクス ル)が在り、やじろべえのように前後のバランスを取り、センターの車軸でほぼ全荷重を支える構造です。連結回転軸が1箇所になるので、セミトレーラのよう にコントロ
ールできる利点が在ります。(セミトレーラーの車両はキングピンにドーリーと呼ばれる車輪を取り付ける事でフルトレーラーとしても使用できます。ドーリー 式では、屈曲点が2カ所になるので基本的にバックは非常に困難となります。)

 (1)けん引車の構造
けん引車には構造上大きく分けて、セミ・トレーラー、フルトレーラー、ポール・トレーラーの3種類があります。


セ ミ・トレーラー(5thホィール・トレーラー)

フ ル・トレーラー

ポー ル・トレーラー


(私の)5thホィール・トラベル・トレーラー

(知人の)ヨーロピアン・トラベル・トレーラー

  私のWebページでは、主にセミトレーラーについて書きます。

トラクター:牽引する車両。動力源を持 ち、牽引装置(カプラーやピンドルフック)を備えた運転車両の事。
             「ヘッド」とも言う。
トレーラー:牽引される車両、被けん引 車 両の事。それ自体は動力を持たず、トラクターに牽引される車両の事。

一般的に、これらを連結した状態の車両の事もトレーラーと呼びます。私のWebページ では混乱を避ける為に
トラクターとトレーラーが連結された車両を「牽引車両」と表記します。

 トラクタの背中に「カプラー」と呼ばれ る(先割れ洋式便器の便座の様な)連結器が付いており、ここにトレーラの前方下部に付いている「キングピン」を合体させます。連結部はこのキングピン一点 で支持されます。

 このように、けん引車はキングピンを中心にトラクタとトレーラが中折れする構造になっています。


 多少の違いは在るモノの大型トレーラー用の物と良く似た構造です。適合するキングピンも大型トレーラーと同じ太さの5インチです。ですが、私のRAM君 で大型貨物トレーラーを牽く事は出来ません。第5輪荷重と云うよりRAMの最大積載量1.2tしか設定されていないので、大型貨物トレーラーを多分載せた らRAM君は ペシャンコに潰れてしまうでしょうネ。


 連結部を後から見た図です。キングピンは真鍮色のシールドで覆われていて、この状態でロックされています。


       キングピン
 大型トレーラーの圧倒的な大きさから 見れば心許ない?

       キングピン
  私のトレーラーのキングピン。
大型トレーラーと同じ5インチサイズです。


(2)トラクタ とトレーラの折れる角度の限界
 貨物用のトラクタと5thトレーラはキングピンを中心に 折れますが、360度回りません。トレーラー床下部の構造によりますが、左右90度(合わせて180度)までは折れます。限界を 越えて折ると、トレーラ床下部のアンダーガード等がトラクタのサイドに当たって修理が必要になります。

 私の5thトラベルトレーラーの場合では、貨物用トレーラーとは異なりキャビンとトレーラー(の荷台上の部分)との接触が発生する恐れがあります。 5thトラベルトレーラーを牽く為には、ロングベッド(と、云われる荷台の長い)フルサイズピックアップで牽くのが常識でした。が、日本ではロングベッド のクワッドキャブ(4枚ドアの6人乗り)となると車両全長が長すぎて不便です。又、米国でも各州の州法でピックアップの荷台への乗車が禁じられた為に、 ショートベッドのクワッドキャブ(ダッジの場合の呼び名。GMやFORDではクルーキャブと呼ぶ)が主流になりつつあります。

 ショートベッドの荷台の長さは約160cm、車軸直上となるキングピンからキャビン後端までの距離は約110cmです。キングピンからキャビン後端の距 離が90度迄屈曲させた場合、トレーラー全幅の半分以上無いと90度未満の屈曲でトレーラー前端とキャビンが接触してしまいます。つまり、キャビン後端→ キングピン間が110cmしか無い私のRAMの場合では、(理論値)全幅220cm迄のトレーラーしか90度近辺の屈曲が出来ません。又、キングピン位置 がトラクター後輪アクスル直上に在る事が他のトレーラーに比べて圧倒的な走行安定性を生む訳ですから、後輪アクスル以降にキングピンを位置するのでは本末 転倒です。そこで以前は(手動式)スライドヒッチと云うモノが存在しており、90度近くの屈曲をする場合には一旦運転席から降りて、スライドヒッチを解放 しキングピンの位置を荷台後方に下げてから屈曲を始めると云う不便な代物でした。

 90度近く屈曲する機会が乏しい(筈?)の恵まれた米国の道路事情と異なり日本では交差点の度にスライドヒッチを解放するのも不便だし、逆に高速走行以 外ではスライドヒッチを解放しておくと云う使い方になる筈でした。私自身が5thトラベルトレーラーへの移行を決心したキッカケは、次の「トレーラーライ フ」の特集記事でした。




 詳しい説明は別ページに譲りますが、直進状態ではキングピン位置は後輪アクスル上に位置し、転回時や 屈曲時には自動的に、キングピン位置を荷台後方にス ライドさせる画期的な商品です。これの登場に依り、ショートベットなピックアップでも安心して5thトラベルトレーラーを牽引出来る事が出来、その移動は 自然で違和感を感じません。更に、他の5thヒッチと比べて優位な点は、屈曲90度でストッパーが作動しますので間違えて90度以上に屈曲させる恐れがあ りません。(流石に、自動式スライドヒッチを備えても、100度以上の屈曲ではキャビンとトレーラーが接触してしまうので)

又、屈曲90度の状態では、トレーラの車輪は殆ど回転しません。折れの内側のタイヤは少し逆回転するだけです。しかし、90度迄折ることが出来るので、全 長12mの大型トラックが何度も切り返さないとUターンできない交差点でも、全長18mの大型「牽引車両」が切り返し無 しでUターン出来てしまうのです。


 私の5thトラベルトレーラには灯火等の電気配線、リヤモニターカメラの映像線、走行充電用電気配 線、そして、緊急ブレーキワイヤーがトラクターから接続されています。これらは折れによって伸びきらないように余丁を調整してあります。尚、大型のトレー ラーは圧縮空気を使うエアブレーキが大半です。分離・連結の際にエア抜きが必要な油圧ブレーキでは面倒だからでしょうか?私の5thトラベルトレーラーで は、大多数のアメリカントラベルトレーラーがそうである様に、電磁ブレーキですので、灯火コネクターに交えてブレーキ制御も電気配線で行っています。(手 前側が9ピンの灯火コネクター・奥側が4ピンのバックカメラ配線です。)





●トレーラーの運転免許
 大型自動車・普通自動車・大型特殊自動車のいずれかの車両でトレーラーを牽引する時は、牽引する自動車の種類に応じた運転免許の他、牽引免 許が必要です。ただし車両総重量 が750kg未満のトレーラーを牽引する時や、故障車をロープやレッカー車などでけん引する場合、トレーラーを連結していないトラクターを運転する場合 は、けん引免許は要りません。なお、平成14年6月から小型トレーラー限定牽引免許(一般 に言うライトトレーラー限定牽引免許)を取得すれば、車両総重量が2トン未満のフル・トレーラーを牽引出来る様になりました。 又、農耕用のトラクターで750Kg以上のトレーラーを牽引する場合は農耕用限定牽引免許でも牽引出来ます。

 国内で流通して、一般に販売されているキャンピングトレーラーの大部分は、牽引免許不要な750Kg未満のトレーラーが大部分です。ここ数年の間に、牽 引免許が必要なキャンピングトレーラーが大幅に増えてきています。(と、云っても、我が国全体で5000台未満と云う極少数なキャンピングトレーラーの中 で増えてきている・・・だけなので実際数は少ない筈です。)因みに、トレーラーの事を「被牽引車(牽っ張られる車)」とも呼びますが、この中で車両総重量 750Kg以上のトレーラーの事を「重被牽引車」と呼びます。高速道路や自動車専用道路で見受けられる規制・・・(騒音防止の為?等の)トラック指定車線 には、トラクターが普通乗用車で在る場合でも重被牽引車を牽いている場合は、その指定車線を走る必要があります。又、基本的に、高速道路・自動車専用道路 等では、重被牽引車は第1走行車線(最も左の走行車線)以外は走行出来ない・・・事になっています。第2走行車線の通行が許される場合は、第1走行車線の 先行車に従うと最低速度違反を犯す恐れのある場合等の例外的措置となっています。ここら辺の面倒な制約も、750Kg未満のトレーラーには無関係です。し かし、高速道路・自動車専用道路等での牽引走行時の法定最高速度は80km/hとなっています。これは重被牽引車も、750Kg未満の被牽引車を牽引走行 している場合も同じです。



●私のトレーラー遍歴
 私自身の話で恐縮ですが、学生時代(高校生・大学生)の頃はGL400に寝袋を積んで野宿旅行をやってました。当時、ツーリングテント等 は無く登山用の高額なビバークテントしか無い為、オールシーズンの寝袋+フライシート代わりのゴミ袋で全国ドコでも無計画に野宿をしていました。配偶者を 迎え、例の倣いの如く無計画な自動車旅行を繰り広げていたのですが・・・宿の予約も取らず・食事場所も決めず・本能の赴くままに目的地に向かって爆走する 習性は変わらず旅行先で大喧嘩を繰り返したモノです。当時は若かったし子供も居なかったので、荷物も大して入らない2人乗りのスポーツカーで自動車旅行を していましたが、ツーシーターの宿命で座席もリクライニングせず配偶者には大きな負担を強いていました。忘れもしないコルベットでの過酷な九州旅行の後、 キャンピングカーでの旅行に行きました。分不相応な大型のキャンピングカーは、中で生活する分には快適ですが、旅行の足として使うには不便でした。観光地 には大型バス駐車場が在るから良いとしても、地元の鄙びた温泉地には行けない、キャンプ中に醤油が無い事に気付いても買い物に出られない・・・と、物理的 な大きさに起因する障害を乗り越える事が出来ずに挫折しました。もう少し小規模なキャンピングカーに買換えかな?と思っていた矢先に子供が出来たと知りま した。伴い、キャンプから撤退したのです。

 子供も3歳になり、旅行でも行こうかと思い始めていた頃、社用で道路運送車両法を検索していました。車両法範囲内の全高3.8mの範囲内で当時の商材で 在った局舎を運ぶ為には低床のトラックでで運行許可を取得しないと無理で、それを取得して運送していましたが、トレーラーなら低床のトラックより荷台が低 いモノがありトレー ラーでの運送を検討し始めました。そんな折り、検索エンジンで引っ掛かったTML(トレーラーメーリングリスト)のWebページでキャンピングトレーラー の事を知りました。いや、子供の頃には亡父に連れられて行った自動車ショーでトリガノ(?)とか云うフランス製のキャンピングトレーラーを見た記憶が在っ たのですが、その時点までスッカリ忘れ ていました。ヨットでのセーリングが趣味だった亡父が、陸のヨットと云う感覚でキャンピングトレーラーを欲しがったのですが、母の猛反対で入手には至りま せんでした。そうだ!亡父への供養のツモリでキャンピングトレーラーを購入しよう!と閃きました。(全く、都合の良い亡父への供養ですが・・・)TMLで キャンピングトレーラーを再認識した翌日には、岡山では老舗で(現在でも大手の)某キャンピングカー屋さんに足を運びました。4doorセダンで乗り付け て開口一句「キャンピングトレーラーを売って下さい」と云いましたが、その時担当された販売員の方は「トレーラーなんか止めた方がいい。大体、エアサスの セルシオで はトレーラーは牽けませんヨ。それよりキャンピングカーを買いなさい。クラスBの出物があります。」と云われました。「ヘッドはお奨めのヘッドを買いま す。だから、キャンピングトレーラーを売って下さい。」と言い募りましたが・・・「貴方には、トレーラーの運転は無理です。ウチでも買ったは良いけど、運 転を持て余して沢山の中古車が入庫しています。もう、保管所も一杯なので売っても良いけど、買取はしませんよ。悪い事は云わないので自走キャンピングカー を買いなさい。」と説教を受ける始末。私も欲を出して、「じゃぁ、その中古のトレーラーを売って下さい。」と云うと、「今は買取のシーズンでは無いので、 中古のトレーラーは1台もありません。」と云うでは無いですか?この時点で、この販売員の方は目先のクラスBを売りたいが為の嘘八百トークだと思いまし た。取り敢えず、連絡先を告げて中古トレーラーが入庫したら連絡して欲しいと告げて辞去しました。その日の内に岡山市内にもう一軒あったキャンピングカー 屋さんに行き、ヨーロッパ製(英国製)のルナ・ユーロ450とコンパス・ステージ400/4 の展示車を見に行きました。

以前のキャンピングカーは米国製だったので、「米国製のキャンピングトレーラーは無いのか?」と聞くと、英国製のトレーラーしか扱いが無く、米国 製も販売しているのは先程断られた倉敷の某社しかないとの返事でした。実は先程、その某社には行ってきたのだが、貴方にはトレーラーの運転は出来ないとお 墨付きを貰い、貴方に売ると持て余して買い取りする羽目になり社長に怒られるから・・・と云われたので、ココで買うしか無いのです、と正直に告げて商談に 入りました。軟弱者の私の条件は「クーラーが在る事。」「発電機が在る事。」だったのですが発電機を搭載したトレーラーは存在しないが、クーラーなら取付 は可能な車種もある。それはコンパス・ステージ400/4だ!コンパス・ステージは輸入元が完全日本仕様で製造させた日本向けのトレーラーだからお奨め だ!と云われ、その場の雰囲気で契約して帰りました。(正直な話、2台の展示車を比べると、ルナ・ユーロ450は広くてゆったりしているのに比べ、コンパ スステージは多少狭いかな?と思いましたが、ルーフクーラーの搭載の可否で選択したと云う部分が正直な処です)

 それから2ヶ月、妻のゴルフを売却しランドクルーザー・プラド(牽引車としてお奨めだと云われた)に買い換え納車の日を待ちました。納車の日、仕事を相 対してショップに出向き色々な説明を受けてから、いよいよ牽いて帰る事になりました。本当はもっと説明を受けていたかったのですが、段々夕闇が迫る頃にな り、暗い中で1人で牽いて帰るのに不安があったので急いで貰ったのが事実です。早速、教わった様に連結して、灯火類の確認を終えてショップの皆さんが見送 る中、心臓をバクバク云わせて出庫しました。そのショップの前の道は生活道路で道幅が狭いのですが、思いの外、難なくクリアし幹線道路に入り、自宅に向か いました。そろそろヘッドライトが必要な頃、自宅の前に到着しました。自慢じゃ無いけど、産まれて以来、トレーラーバックを試した事もなく途中の大型 ショッピングセンター等の駐車場でバックの練習でもしておけば良かったと悔やみながら、しかし、自宅前の狭い市道から再び幹線道路まで出る勇気もなく、そ のまま車庫入れを敢行する決心を固めました。

 え〜と、バックで曲がるには逆ハンドル・・・。自宅前の狭い市道で逆ハンドルで後退を開始しました。逆ハンドルって、どの位切れば良いのだろう? 全然 曲がらないから切り足らないのかもと切り足してバックすると急にトレーラーが大きく曲がり始め、自宅に突っ込みそうになる。慌てて、少し前進してトレー ラーの向きを変え、再びバックしても同じように大きく「く」の字に曲がってプラドとトレーラーがぶつかりそう。いや、もうぶつかっているかも?仕方がない ので、再び前進してトレーラーを伸ばし、逆ハンドルを切らずに押しても「く」の字に曲がる。これを繰り返している内に、自宅前の狭い市道には通行車の渋滞 が出来てしまいパニックに陥ってしまう。ついにシビレを切らした被害者がクラクションを鳴らし初めてパニックは頂点に達してしまう。後先考えずに、「く」 の字に折れたままトレーラーからプラドを切り離し(タングジャッキを降ろすのを忘れて、力任せの切り離しと同時にトレーラーのカプラー部がドスンと接地す るオマケ付きで・・・)プラドを地下車庫に収納しつつ、御近所の方々にペコペコ御詫びして我に返る。カプラーが地面に接地した状態からどうすれば良いのだ ろう?タングジャッキを止めているネジを緩めるが、カプラーの重さは自分で持ち上げる事は出来るけど、それを持ち上げたままタングジャッキを降ろす事は、 手が2本しかないので無理と判明する始末。トレーラーの(タイヤ交換用の)ジャッキでトレーラーのAフレームを持ち上げようと探し始めるが、フロント収納 庫にも無い。ひょっとして車内か?と、何も考えずにトレーラーの車内に入ると・・・シーソーの様に接地したカプラー部が持ち上がってトレーラー全体がウィ リーの様に後に持ち上がってしまう。トレーラー後部よりメリメリと破壊音が聞こえ、再び、後先考えずにトレーラーのエントランスから飛び降りてしまう。 10月だと云うのに、全身汗でビッショリ。「落ち着け!兎に角、落ち着け!」と自分自身に言い聞かせながら、震える手でタバコを掴みだし一服。

 そうだ!プラドのジャッキでAフレームを持ち上げてタングジャッキを使おう!と、閃き・・・取り敢えず、タングジャッキでトレーラーを水平にする事に成 功する。この時点で既に周囲は真っ暗だった。さて・・・、このままプラドを真っ直ぐ連結したら駐車場に入れそうだと思うが、その切り離した状態でプラドを 連結する事は不可能となっていた。そうでなくても鋭角に駐車場に進入しかかっていたのにウィリーした時に更に向きが変わった様で・・・再び連結は不可能。 手押しで入れようと頑張ったが、若干傾斜が在るので1人では動かない。結局、仕事中の妻にSOSを要請し、2人で押して入れながらキャンピングトレーラー を買ったと白状する事になる。
 
 その後、キャンプ場にキャンプに通い始めるが、キャンプ場でのサイト入場でも、その後の自宅車庫への入庫でも、トレーラーバックは出来ず都合5回出動す るまで夫婦で手押しをしていました。その毎回毎に、運転も出来ないのにトレーラーを買ったと妻に厳しく諭されていた。そんなトレーラーバック駄目駄 目な私に転機が訪れたのが、隣県の世羅西青少年旅行村にキャンプに行った時だった。個別サイトを予約して現地に行くと、側溝の溝蓋を渡らないとサイトに入 場出来ない処で、更に、1サイトに在る溝蓋の数が少ない為、溝蓋をタイヤが来る場所に人力で移さないと入庫出来ないという・・・トレーラーには酷なキャン プ場だった。その溝蓋の重さは恐らく1個70Kg位で軟弱な私の持ち上げ可能な限界な代物。最小限の移動で入庫しないと、キャンプの前にぎっくり腰で入院 する羽目になりそう。サイトへの傾斜がきついので、人力入庫も諦めてトレーラーバックで入庫する事にする。最小限の溝蓋移動で入庫する為に、バック中も何 度も運転席から降りて目で確かめる事にしたが、実はバックするトレーラーの挙動を初めて客観的に見る初めて の機会となった。運転席で悪戦苦闘しているとタイヤの軌跡等全く意識しなかったが、外から客観的に見ると、な〜んだ!トレーラーのタイヤってこんな風に曲 がって行き、こんな処を通るのか!って初めて認識した。何度か降りて確認する事が幸いして、溝蓋の移動2個で無事に入庫してしまう。オマケに切り返し無し で一発でサイト車乗部分に入ってしまうと云う快挙を成し遂げる。ひょっとして、トレーラーバックを見切ったカモ、と大見得を切った次第だ。勿論、その後の 自宅への入庫も2度運転席から降りて見たが、切り返し無しで見事に入庫出来てしまった。それ以降は、少なくとも自宅に関しては、運転席から降りる事もなく 簡単に入庫出来る様に成り・・・、一般的な水準からは低レベルなモノのトレーラーバックを見切ったと密かに思う様になった。秘訣は、トレーラーの車輪位 置・トレーラーの四隅まで考慮に入れた車両感覚以外の何ものでも無い訳だ。(・・・と、偉そうに書いたけど、その最初は入庫出来ず手押しして、当分長い間 は苦労して入れていた自宅車庫は今も同じ大きさである。コンパスステージの2倍の大きさのトレーラーをプラドの1.5倍の大きさのRAM君で入庫出来るス ペースが在る訳だから、当時の私のトレーラーバックの能力は低レベルだったと思う。ま、今は凄いぞ!と云う訳でもなく、今でも低レベルで在る事は変わりな いが・・・)

 そんな訳で、コンパスステージに慣れてしまったと思ったら、デカイのが欲しくなってしまう。デカイのが欲しくなった理由は、個人主義の我が家が個々人の 場所を確保出来ないと云う理由と、トレーラー内が狭くて横に大きい私とのすれ違いに困る事が多かったと云う理由だろう。又、当時はキャンプ場で行うキャン プが大半だったが、前泊を高速道路のSAやPAで行う事が多く、外部留置式の清水タンクでは不便な事と、清水をポータブルタンクに頼った処で・・・排水に 困った点だろうか?前泊のP泊の際、トレーラー車内で歯磨きをして眠ると、朝起きて出発準備を行っていると駐車場のアスファルトに白い歯磨き剤の後が残る 事。排水タンクを出口に受けたり、思い切って70リットルの排水タンクを据え付けたりしたが充分な対策とは云えなかった。

 キャンプ場以外でも手軽に車中泊がしたい、トレーラー内ですれ違う時、ゆとりが欲しい。1人1人の定位置が欲しい。この3つが買い換えの原動力となっ た。

 以前、コンパスステージ400/4を買う際、販売店で充分すぎる広さだと思ったルナ・ユーロ450を諸般の事情で諦めたが、あの時、ルナ・ユーロを選ん でおけば買い換えをしないで済んだかも知れない。それに、当時のTMLの共通な認識では「トレーラーの運転には何れ慣れる。慣れたら、広い車内の方が快適 なので、駐車場所の許す限り大きなトレーラーを買った方が良い。」となっていた。2台目のトレーラーとして、ボナンザのエアロライトか、リトルハウスさん のトレールライトを考えていた。エアロライトは、最初に倉敷の某ショップに買いに行った車種だ。売ってくれなかったから、その店で買わなかったが、もう大 丈夫だと思うので売って欲しい・・・と、もう一度某ショップを訪ねようかと思った。何だか虚栄心を満たされそうな、その某ショップのその担当者をギャフン と云わせそう展開だと思ったが、その担当者にとって私は大量にやってくる「冷やかしの客」の1人で、以前に「貴方にトレーラーは牽けないだろう」と云った 事さえ忘れている。それどころか、当時はエアロライトの販売は可能だと云っていた筈だが、余分な納車費用やアフターサービスが出来ない可能性と云う悪条件 を提示し、クラスBへの買い換えを迫る始末。で、その某ショップに見切りをつけた。その当時、エアロライトよりハイスペックな良く似たレイアウトのトレー ルライトを販売しているリトルハウスさんがTMLにも積極的に書き込みをしていて好感が持てた。どうせ、倉敷の某ショップでエアロライトを買ってもアフ ターサービスは満足に出来ないと云うのなら、栃木県で買っても同じだろうとリトルハウスさんでトレールライトを買う決心を固めた。

 さて、ワクワクする車種選定が始まる。今後主力として輸入を図るのは21ftモデルと25ftモデルだという事。3人家族の我が家が25ftモデルを選 んでいれば、それはユッタリとしたトレーラーライフをエンジョイしていただろう。だが、俄に頭を過ぎる不安は、今まで通っていたAC場への入庫が出来る か・・・と云う問題である。現車は見た事が無いがレイアウト図を見るだけでも、両者の違いは明らかだ。牽引の容易性を取るか、ユッタリとした車内空間を取 るか・・・。悩みに悩んだ。が、時を同じくして、TMLでアクティブに書き込みをしていた「ターさん」のHP上に21ftモデルの特設ページが出来ている のに気が付いた。朝昼晩、このHPの特設ページを眺めて過ごす生活が始まった。勿論、リトルハウスさんからは英文のA4カタログ(全4ページ)は送られて いたが、カタログよりもWebページに展開されている紹介には大きな説得力が在った。そのHP特設ページには

その名は「トレールライト7212」、同社の7000シリーズの 21Ftの常設ベッドルームを持ち、家族四人での使用にぴったりな1台だ。

何故今ヨーロピアンではなく、アメリカンなトレーラーかと言うと、その使用形態の 違いによるトレーラーの性格が日本での利用形態に適合している事だ (^○^)v

ヨーロッパでは長期のバカンスに定地滞在し、トレーラーを別荘代わりに使う事が多 く、トレーラー自体もそれに合った仕様となっている。
アメリカではその歴史から移動が目的で、幌馬車からの発展である、そのためどんな 場所に行っても、そこそこ快適に暮らせるような仕様となっており、それが今の日本での使い方と合っているのである (^○^)v

と、書かれていた。当にピッタリだ。家族4人での使用にぴったりなら、3人家族ならゆとりが生まれるだろう。25ftと21ft の何れにしようかと悩み続けたが一気に問題解決して発注に至った。

 確かに、その特設ページに書かれていた事は総て事実だった。今までコンパスステージ400/4で行けていたAC場やP泊地の内、TL7212に替えてか ら行けなくなった場所は皆無だった。苦労して牽引免許を取った性か牽引走行も楽になった。買って良かった大満足なトレーラーだった。コンパスステージに漠 然と持っていた不満点、歴然と持っていた不満点が総て解消された。(が、1つだけ不満点が在り、それが燻ったのが3度目の買い換えの理由かも知れない。そ れは2003年モデルに大きなマイナーチェンジがあった事。)以前のスタイルもボディグラデーションも不満はなかった。だが、新型のボディグラデーショ ン、車内のデザインを見たら一気に旧モデルが陳腐化する完成度の高さがあった。欲しい、欲しい、新型が欲しい・・・。思うだけなら只なので、日夜思い続 け、妻に相談した。が、使い勝手は何も変わらないんなら買い換えは要らないのでは・・・との事。一旦は諦めていた。

 その頃、TMLでは第3次買い換えブームが勃発していた。第2次買い換えブームに乗じて私も買い換えをした口だが、基本的に第2次ブームでは牽引免許不 要なトレーラーから牽引免許不要なトレーラーへの買い換えが大部分で、私のように牽引免許不要トレーラーから要牽引免許トレーラーへの買い換えは少数だっ た。だが、第3次買い換えブームでは、要牽引免許トレーラーへの買い換えが多く、オフ会で見る皆さんのトレーラーも次々に大型化の一途を辿り始めた。一旦 は買い換えを却下した妻も、オフ会等で大型トレーラーの内部を見せて貰うにつけ、「大きいトレーラーは良いなぁ」と言い始めた。私がでは無く妻がで在る。 このチャンスを逃すと5〜6年買い換えのチャンスは回ってこないだろうと車種選定に入った。

 今までの2台のトレーラーの失敗を踏まえて、3台目のトレーラーは可能な限り大きくしようと考えた。意匠や搭載設備が陳腐化しても物理的な大きさは陳腐 化しない。「駐車場所が許す限り、大きなトレーラーを買った方が良い」と云う・・・以前のTMLの共通認識を立証する事にした。我が家のトレーラー駐車場 所は、前面道路幅員3.8mから直角に、幅5m・奥行き14.5mに入るモノだ。連結全長14mとすれば、全長5m強のトラクターで、全長9m弱のトレー ラーが最大サイズになるだろう。で、駐車の可否を確認する為に、知人に9m弱のトラベルトレーラーを借りてみた。だが、運転技術の未熟さの為か(でも、軌 跡図を作っても物理的に無理だと思うが・・・)自宅への入庫は不可能だっ た。切り返しを何度と無く繰り返せば、全く不可能だとは思えない。だが、切り返しを何度も繰り返さないと入庫出来ないと云う事は、切り返しを何度も繰り返 さないと出庫出来ないと云う事だ。ヨーロッパトレーラーを選びムーバーを付ければ入庫は容易だろう。だが、連綿と綴った通り、ヨーロッパトレーラーでは我 が家の要求仕様を満たせないと確信している。

 そこで、1998年の夏頃に、キャンピングトレーラーの事を調べ始めた時に、画像だけで出会った5thホィールトレーラーの事をフト思いついた。9m長 のTTの自宅入庫は不可能でも、5thなら案外自宅車庫に入るかも知れない。軌跡図を作っても入りそうだ。
購入に当たり、2台目のTL7212を御世話になったリトルハウスさんで5thを買おうと極自然に当たり前の様に思った。商品知識も豊富だし、修理部品の 手配も迅速だし、何より気心が知れている。相談を開始し見積もりの提示を受け、納得 して内金200万を振り込んだ。今のTL7212の個人売買の段取りも付いた。

 その矢先、リトルハウス大森さんから、TLブランドの5thホィールトラベルトレーラーは廃盤になったと連絡が入った。そんなバカな?米国のRV販売店 のWebサイトではTLブランドの5thは紹介されているし、現車の展示があるディーラーもある。だが、しかし、新規製造分は生産中止となったらしい。米 国内販売店の展示車をリトルハウスさんで斡旋して貰うと云う話になった。でも、大森さんも忙しいのか、米国の販売店のリアクションが遅いのか、見積もり が出ない。7212の先売りの話は出来ていて・・・猶予はない。

 悩んだ末、申し訳ないと思うが、リトルハウスさんへキャンセルの電話を入れた。相当期間待っても代替え案が無いのなら、契約を白紙撤回しようと云うこと で・・・。これはリトルハウスさんが悪いのでは無い、2004年モデルとして発表しルイビルショーでもデビューさせたトレールライト5thを急遽生産中止 と決めたRビジョン社の問題だろう。商品を分析しても、確かにトレールライト5thは、単に5thで在るだけで従来型のトラベルトレーラーとの差別化を打 ち出せていない。又、Rビジョンがトレールライトでウルトラライトクラスへ低重心・低車高へ殴り込みを掛けて成功した事例が、まんま同じ手法で5thの世 界に適合するとは思えない。実際問題、当時も私自身は思った。この5thは日本で売る為の設計した5thでは無いの?こんな車高の低い5thは珍し い・・・と思った。(結局、低重心の為のフレーム高の低さが災いし、リヤエンドを路面の凹凸で接触する事故が相次いだのが廃盤の理由らしい。もし、運良 く?か運悪くか? 私のオーダーが間に合っていれば、そんな悩みを抱えて走っていたカモ知れないので結果オーライと思う他無い・・・)

 さて、困った。夢の5thが他で入手出来るのは、エアストジャパンさん、ボナンザRVセールスさん、そして、ホットトラックスさんの3軒だけだろう(他 に も在るかも知れないが、私は知らなかった)エアストジャパンの伊藤さんとは面識があったが、エアストジャパンって・・・というか、エアストって限られたお 金持ちだけのトレーラーだと思うので・・・電話する勇気がなかった。ボナンザRVセールスさんは昔、エアロライトの見積もりで販売員を知っていたが・・・ その人が正直好きになれなかった。ホットトラックスさんは、以前に知人のカーゴトレーラー購入で知り合い、その後、パークトレーラーでも御世話になった経 緯が在り、物は試しの話として一番ハードルが低かった。そこで見積もりを貰う為に車種選定を開始した。買う気が在ったのか無かったのか、私本人でも判らな い。(元のTL7212売却の話をして下さっている方は、多分・・・購入予定のTL5thが廃盤に成って目処が立たないから売却をキャンセルとした処で、 快く納得して下さるだろうという自信は在ったのだが・・・その方に伝えてはいなかった)

 ホットトラックスの末田社長に電話した。ホットトラックスさんは7ft幅フレームの米国トレーラーを多数輸入していて、5thホィールも7ft幅が主流 だった。8ft幅は日本では道路事情が悪いので定置利用が大部分だろう。と、云われていた。事情を話した。他で・・・今まで世話になっていたリトルハウス さんで購入を決めて、内金も払った。これの返還が在ったら、その金額前部を内金で入れ るので、最初の8ft幅モデルを入れて欲しいとお願いした。末田社長は「モデルを決めて下さい。見積もりします。」と云われた。

 そこで自分も考えた。今までの購入は、毎回希望よりも小さいモデルを選んできた。過去の2回共、妥協の産物だった。今度こそ、自宅に入る最大サイズを買 おうと決めた。自分で作った軌跡図でも、リトルハウスの大森さんが作ってくれた軌跡図でも5thなら30ftまで自宅駐車場所に入ると判っていた。だか ら、今度買う5thは30ftモデルにしようと決めた。しかし、ヨーロッパもアメリカンも同じで記載されている長さ表示は室内有効長で在るので9mモデル は表記上28ftになる様だ。当初からフレーム幅は8ftに決めていた。だから、8ftワイドの28ftモデルの5thホィールトラベルトレーラーの中か らモデルを選んだ。選択要項は2つ。パーティモデルか、子供部屋付きファミリーモデルか・・・、ファミリーモデルのF8281SS(F=5th、8= 8ftフレーム、28=室内有効長28ft、1=モデル番号、SS=スーパースライドアウト)しかない。熱病にうかされた様に瞬時に決めてしまった。

 それは無謀だった。無謀な選択をしたと気が付いたのは国内に入庫したとホットトラックスさんから連絡を貰って、愛知県のホットトラックスさんの展示場に 見に行った時だった。ホットトラックスさんは一般的な国内のRV販売店とは違い、米国のRVディーラーの様な広大な敷地を誇るショップだ。その広大な敷地 の中では、日本で見慣れたあらゆるモノが実際より小さく見える筈だ。だが、そこに在ったF8281SSは掛け値なしにデカかった。これを、自分で牽引して 走るとは瞬時に否定したい大きさだった。TMLの仲間にもフォレストリバー社の30ftモデルを牽いている方がいて見学はさせて頂いていた。長いと思った がデカイと思わなかった。だが、これは掛け値なしにデカイ。その場では見栄を張って、「あ〜、楽しみだなぁ〜。早く牽いて帰りたいなぁ〜。」と精一杯の強 がりを飛ばして帰った。(緊張の余り、何もせずにデジカメで数枚写真を撮ったら直ぐに岡山にとんぼ返りをした)帰りの車中では、ショックのあまり口も聞か ず・・・妻子は奇異に思ったようだ。

 納車費用を倹約する為に、自分で引き取りに行くと最初は云っていたが、自宅に本当に入庫出来るかの自信を失い。出張納車を御願いする電話を帰宅後、直ぐ にホットトラックスさんに入れた。これは大変だ!自分には運転が出来ないかも知れない・・・。

 その後、トラクターの予備検等でバタバタして5thの脅威を忘れかけていた頃、自宅にF8281SSが納車された。車庫入れの参考にしようとビデオカメ ラで車庫入れ風景を撮影しようと思ったが、三脚にビデオカメラを載せる間に末田社長はサッサと入庫してしまう。所要時間は30秒以下だった。もう一度、撮 影の為に車庫入れをやり直して欲しいとは言い出せず、近所のレストランで食事をして別れた。

 納車後、最初の出動はオートキャンパー誌にも掲載された2003年年末からの正月キャンプだった。連結したツモリがシールドが出切って無くトレーラーを RAMの荷台に落としたり、内輪差を読み違えて縁石に乗り上げそうになったりして高速道路に上がり、不安ながらもキャンプ場に着きホッとしたのも束の間、 帰路の寄り道先で住宅街の生活道路に道に迷って紛れ込むと云う大失態を演じ、奇跡のリカバリーを経て紛いなりにも牽引走行に自信が感じられる様になりまし た。あれから1年半が過ぎ、大抵の処では手に汗握る必要もなくなった今日この頃である。

 結局、自分自身での自宅出庫・入庫にも大きな問題はなく、広大な車内はトレーラー車内で充分にくつろぐ事が出来て買い換え自体は成功したと思っている。 しかし、日本のキャンプ場環境は自家用車にテントを積んで行うオートキャンプが中心でRVに依るキャンプには厳しい様です。5thホィール・トラベルト レーラーが日本で使いこなせるかが、私自身の実験だったが、巨体を持て余して狭路で立ち往生・・・への不安から、狭い場所に遊びに行く為に、セカンドキャ ンパーとしてピックアップキャビンを買う羽目になり今に至る。

アウトドアの道具は「小は大を兼ねるけど、大は小を兼ねない」とは至極名言である。

●私は何故5thホィール・トラベル・トレーラーを買ったのか?

 活発なメールのやり取りが在ったTMLで、走行安定性云々の話になると必ず識者の方から話題に上がるのが5thホィールトレーラーの事 だった。5thホィールならトラクターの後軸直上に連結点が位置するので、スネーキングに移行する1つの原因とも云えるフィッシュテールと云う(ヨーイン グ)現象が発生しないとされていた。幸いにも私自身はボール&カプラートレーラー時代にスネーキングは1回しか経験が在りませんが(他車の悪意で発生)、 その1回の経験で充分大きな恐怖を抱いたのは事実で、そんな5thホィールトレーラーに興味を抱いたのは事実です。又、時間は前後しますが、同じくTML で「いつかはフィフスホィール」とシグネチャーに書いて居られた方が居て、その方に好意を抱いていた私も、物まね小猿的に「ふ〜ん、いつかは私もフィフス ホィールかな?」思って見たのもキッカケかも知れない。それと・・・、私が小学生の頃、父に連れられて見に行ったモーターショーでトリガノと云うフランス 製トレーラーを見て、亡父が帰り道「アレを買おうか?」と云った事に端を発し、トレーラーマニアになっていた事も在った。(母の猛反対で、父はトリガノ購 入は果たせず、その供養の意味も最初のトレーラー購入には在った筈)その後、高校生の頃、月刊プレイボーイで見た5thホィールトラベルトレーラーに感電 する位のショックを受けた。確かにおっぱいもデカかったけど、ジャグジーの付いた広大な車内は、車の中である事を忘れさせるインパクトが在った。恐らく、 この3つが絡み合って、私を5thに駆り立てたのだろうと思う。

 それに・・・、5thホィールトラベルトレーラーは、「フェラーリに乗りたい」とか「ベンツに乗りたい」と同列で扱える子供じみた夢だった。男の子なら ではの所有欲とは、それを所有してどうすると云う生活設計にも至る継続所有の欲では無く・・・、それを何に使う、それで何をするとは無縁の「欲しい よぉ〜」と云う純粋な所有欲で在るモノだ。女の子の「物欲」とは根元的に違うモノである。尚、釈迦やキリストやマホメットの昔から、所有欲と物欲は恥ずべ き低劣な品性と云われてきた。だから、私は低劣な品性で所有したいと思い、何かの偶然が作用し所有するに至った次第だ。

 で、所有して判った事だが、TMLの並み居る識者の皆さんが云われていた走行安定性は事実だ。5thを牽き始めて1年を経過した頃からの慢心し切った (危険な)運転で何度が実感する事になる。今はその教訓を踏まえて安全運行に留意しているツモリだが・・・。