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  病院事業管理者

  平林 直樹 (ひらばやし なおき) 

 

 安芸太田病院のHPにアクセス後、病院の紹介まで見て頂き誠に有難うございます。
令和2年4月1日に岸管理者、日高管理者に続く第3代目の病院事業管理者として赴任しました平林です。

 安芸太田町は現在安芸太田病院と安芸太田戸河内診療所を運営しております。
 この1病院1診療所の成り立ちを簡単に振り返りますと、安芸太田病院は昭和21年に旧殿賀村の町役場に開設された臨時診療所が始まりとされています。その後町村合併と国民健康保険法の改正を経て昭和31年に一般病床23床を持つ加計町国民健康保険病院となりそれまでの外来に加えて入院診療を開始しております。
 一方、旧戸河内町では昭和24年に病院開設許可がおり、翌25年より一般病床20床の戸河内町国民健康保険病院として診療を開始し、その後両病院とも規模拡充を図ってきました。
 その後、平成16年に近接3町村の合併により加計町国民健康保険病院は安芸太田町加計病院となり、平成20年に現在の安芸太田病院と名称変更をしております。戸河内町国民健康保険病院は平成16年に安芸太田町戸河内病院となり、平成18年の両病院が地方公益企業法全部適用となった際に、一般病床52床を全床療養病床に転換した後、平成20年に病床廃止し現在の安芸太田戸河内診療所となっております。

 平成16年の3町合併に際し、山県郡西部新町建設計画で示された方針を医療分野で具体的に推進するために、山県西部地域包括ケアシステム検討委員会が設置され当地において構築すべき地域包括ケアシステムについて一定の方向性が示され、10年の間に取り組むべき課題として両病院の再編・機能分担が挙げられていました。しかしながら3町合併と同時期に開始された新臨床研修システムにより、医学部卒後2年間は全科が揃っている研修指定病院での研修が必須化されたのを契機として、大学病院では医局離れが急速に進み、結果として派遣医師の確保が困難となりました。また中小規模病院での研修が制度上困難であることから、医師の退職後の後任医師確保が困難となった安芸太田町戸河内病院の運営問題を発端とし、当初はしっかりと時間をかけて2病院の再編を考える手はずが、大きく前倒しされ、安芸太田町戸河内病院においては、大きな痛みを伴いましたが、平成20年に病床を持たない診療所となりました。この際に、それまでの入院患者の医療必要度と今後の患者推計に基づいた解析により一般病床は医療用ベッドでは無く一旦療養病床に転換後、さらに介護サービスを確保するための小規模多機能型居宅介護や生活支援ハウスに転換されました。この事は、健全経営を実現するための公立病院改革ガイドラインに基づき平成20年度内に各自治体に公立病院改革プランの策定が求められる前に行われた先駆例として高く評価されています。

 それから約10年、現在は新公立病院改革プランの実施期間中でもありますが、経営改善を進めるうえで超高齢化と人口減は中山間地に位置する当院としては解決が極めて困難な問題となっております。
 もう一つの問題は医療の高度化です。私が外科医になった頃(1980年:40年前)の医療機器といえば、レントゲン装置では全身CT(全身の断層写真が撮れる器械)が普及する前でMRIはまだ臨床導入されていませんでした。エコーもひと部屋必要な位の大きさで、しかも部屋を暗くしないと画像が見えない状況でした。病気診断・治療に関するガイドラインはもちろん存在しない時代でした。
 今は如何でしょうか?コンピューターは小型化され診断機器に当たり前に使われており、データ解析に基づいたAI分析まで医療現場に持ち込まれています。ブラウン管は液晶パネルとなり周りが明るくても綺麗な画面を見ることが出来ます。外科手術を見ても、40年前は何処で手術を受けても手術器具に差は有りませんでした(メスとハサミと鉗子と糸があれば大凡どこでも同じような手術が可能でした)。しかしながら、現在では胸や腹を大きく切らない手術(鏡視下手術)が主流となり、数年前からはロボット支援手術も日常診療で行われています。更に手術中のナビゲーション(病巣の位置や挿入する器具の位置をリアルタイムで確認する)もかなりの分野で導入されていますので、何処の病院で手術を受けるかも治療結果に影響を及ぼす可能性が出てきています。しかしながら、高額医療機器が必要となりますので、ある程度の集中・集約が必要であり、どの病院でも導入して良いという話にはなりません。
 

 以上の様な現状の中で当院の役割は、住民の皆様に安心して生活して頂ける環境(保健・医療・介護・福祉の連携強化)を提供する事だと思っています。結城病院長の挨拶にもありますが、医療の質を担保するための連携強化と優秀な人材確保のためのシステム作りに加えて、住民の皆様の尊厳を守る医療を展開していきたいと考えておりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。