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PAUL GILBERT x JEFF STINCO (SIMPLE PLAN) 2005




left to right --> Jeff Stinco (g) :Sebastien Lefebvre (g) : Pierre Bouvier (vo) : David Desrosiers (b) : Chuck Comeau (ds)
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2005年3月、カナダのバンド:SIMPLE PLANの来日公演が行われ、
彼らの日本滞在中に、ギタリスト:Jeff StincoPaulの対談が
exciteサイトにて行われました。
exciteサイトには、もちろん掲載中ですが、時が経つに連れて この対談記事は削除されるのだろうか・・・という私の勝手な妄想(?)が・・・。
という訳で、全く同じ内容ですが、うちのサイトにも掲載させて頂く事にしました。記事をパクるとか、著作権の乱用とかではありません。
勝手なバックアップとでも思ってくださいませ。 
※ 使用している画像の著作権・肖像権は、全てアーティスト、exciteサイトに帰属しております。

Paulと電話対談中のJeff

PAUL:   この間、シンプル・プランのギターのジェフと電話で対談したんだよ。このプログの話が決まった時に、EXCITEから話が来たんだ。色々、沢山質問されたよ(笑)。

JEFF :   僕は、ポールの作品はレーサーXの頃からずっと聴いてきたよ。MR.BIGやソロ活動も、常に僕の関心の的だった。だから今日話ができて本当に嬉しいんだ。
             前回インタビューを受けた時に言ったんだ「是非、ポール・ギルバートと話したい、彼のことすごく好きなんだ」ってね。
             そして今回、来日したらポールと話ができるって聞いて嬉しかったよ。最高さ!ところで、最近はどんな活動をしているの?LAに戻ったの?

PAUL:   有り難う。そう、今LAなんだ。引っ越しして、家にトカゲを見つけたので、どうしたら生かしておいてあげれるか考えていたところなんだ(笑)。

JEFF :   あははは、外に追い返したらどう?

PAUL:   いや?、じつは気に入ってね(笑)。だからペットショップで小さな水槽と餌のコオロギを買ってきたんだけど、
             あまりにも小さなヤツだから逆にコオロギに食われてしまうんじゃないかと心配なんだ。

JEFF :   日本にしばらく居て、LAに戻ったと聞いたんだけど・・・。

PAUL:   うん。日本には2年間くらい住んでたよ。簡単に話をまとめると、最初日本に住めば自然と日本語が身につくと思ったんだ。
             ところが、それはとんだ間違いだということに気づいたよ。外国語を覚えるには、メチャクチャ一生懸命勉強しないとならないんだって。

JEFF :   そうだよね、特に日本語は難しいから。

PAUL:   そしてLAに帰ってきた。実際はペンシルバニアで育ったけれど、17歳の時にLAに引っ越してから長く住んでいるから一番の故郷に思えるんだ。君はどこに住んでいるの?

JEFF :   カナダのモントリオール。僕らはモントリオールから来たフレンチ・スピーキング・ボーイズ(笑)。
             だから母国語はフランス語。それが、なぜかいつの間にか、英語の歌を書いて歌ってヒットさせてしまったんだ。なんで成功したか?今もわからないなー。

PAUL:   すごい!当然、英語ネイティブのスピーカーだと思っていたよ。

JEFF :   新譜の『スペース・シップ・ワン』のアルバムを聴かせてもらった、最高だね。すごくポップスに仕上がっていて、とても気に入ったよ。

PAUL:   ありがとう。僕のルーツはポップスなんだ。両親がビートルズのレコードを持っていて、小さい頃からそれを聞いて育って、ずっとミュージシャンになりたいと思っていたから。

JEFF :   まず、スゴイと思うのは、シュレッドの要素を残しながら、ポップスのエッセンスとうまくブレンドしている点だと思う。ポップスのメロディが生かされている素晴らしいアルバムだね。
             アルバムを作った時、実際どんな音楽を聴いていたの?

PAUL:   ラジオでオールディーズを聴いていたよ。フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズや、あの女性シンガー、え?となんて言ったっけ?、
             Baby, baby…と歌って、目が大きくてマイケル・ジャクソンが大好きだという、そう、ダイアナ・ロス(笑)など聴いていた。他に新しいので聴くのがなかったから。

JEFF :   ポールがエルヴィス・コステロ、ビーチ・ボーイズ、 チープ・トリックなど好きで、実際にもっと古いものも聴いていた、と聞いた事があって・・・。

PAUL:   彼らは聴かなくても、もう僕の中にインプットされてる(笑)。それらが好きって言うのは、僕の声の限界っていう理由もあるんだ。
             ティーンズの頃、ヘビメタが大好きで、ヴァン・ヘイレン、ジューダス・プリースト 、アイアン・メイデン、クイーンズライチなどのギターをコピーする事はできたけど、
             歌うことは全然できなかった。だからバンドやっている時は高域が歌えるヴォーカルにしたが、ソロになった今、ヘビメタのギターが弾けても、歌えるのはせいぜい、
             エルヴィス・コステロと多少Pursuit of HappinessのMoe Bergを合わせたものくらいだなー。

JEFF :   そうなんだー。じつは、僕も似たような悩みがあって、曲作りをする時、シンガーのために歌ってみせるんだけど、フォルセットでしか歌えなくて「何を歌っているんだ?」と
             言われてしまう全く大変だよ(笑)。このアルバムはライブ録音したの?
             アルバムにスタジオでプレイしている写真があるけど、でも、どうかライブで録ったって言わないで欲しい。うますぎるから!

PAUL:   あはは。いくつかのベーシック・トラックはスタジオ録音したよ。基本的にヴォーカル部分は全部録音し直してある。ソロなど何曲かはライブ・トラックもあるよ。
            「ウォッシュ・マイ・カー」はライブ・トラックだし、「イッツ・オール・トゥー・マッチ」はギターが2トラックあるけど、1つはライブでもう1つは上からカバーしたんだ。

JEFF :   すごいね。バンドの存在感がある。多重録音の作った感じでなく、ライブシーンが鮮やかによみがえる。テンポが速くソロが強烈でありながら、聴かせるメロディがある。
             感動したのは、素晴らしいメロディと素晴らしいソロ、両方が揃っていること。最近、多くのアーティストのソロ・アルバムは、ソロばかり前面に押し出しているけど、
             このアルバムを聴くと本当に曲の、音楽のよさがわかるよ。

PAUL:   でもね、おもしろいことに、他のみんなはその逆をやって欲しいと思っているみたいなんだ。

JEFF :   うん。ポールにはたぶんその逆を期待するだろうね。

PAUL:   特に、米国のレーベルからすごくプレッシャーをかけられているよ。「ギター・アルバムなのに、なぜ100%シュレッドをやらないのか」と。
             まあ、そういうのを聴きたいと思えばやるけど、音楽ファンとしてはそんなギターばかり聴きたくない、もっとヴォーカル、ハーモニーやクールなメロディを聴きたいと思うんだよなー。

JEFF :   同感だよ。そういうレコードは15分間聴いていると、音符はもう十分だと思う。メロディが聴きたいって思うし・・・
             ところで、アルバムがスペース・シーンをなぞらえているのはどうしてなの?宇宙に対して強い興味を持っているの?

PAUL:   ああ、子供の頃、カール・セーガンのビデオに触発されたからだと思う。民間放送テレビ・シリーズ「コスモス」をやっていたんだ。
             でも、もっと最近では、昨年アメリカで、たぶん世界中でやったんだと思うけど、人類初めての宇宙観光船を作るコンテストがあったんだ。
             去年は暗いニュースばかりだったから、こういう明るいニュースに注目したかったのもあるんだ。

JEFF :   たくさん質問したいことがあるんだー。まだ日本の音楽学校で学校長をやっているの?

PAUL:   17歳の時、僕はGITでギターの勉強をするのにハリウッドに引っ越して、1年間学生として学び、その後何年間か教えていたんだ。
             そして、確か日本の会社がGITの上部のMusicians Instituteを買収して、日本の8都市で開校したんだ。
             元々、GITハリウッドで勉強し教えていたこともあって、教育用のスペシャル・ビデオも作ったりもしていたから。オファーがあったので日本でも教えることにしたんだ。
             つい数ヶ月前になるけど、日本でセミナーをやってすごく楽しかったよ。

JEFF :   日本では常勤というわけでなく、セミナーなどをやっているんだね。

PAUL:   そうだね。1年に1、2回セミナーをやっているよ。

JEFF :   GITハリウッドではまだ教えているの?

PAUL:   うん、時々ね。おもしろいのは、学校側は全校対象のセミナーをやって欲しいと要請する。だけど僕としては個人レッスンをやりたいと強く思う。
             全員に教えることができないかもしれないが、1人に教えた方が価値ある有意義な経験になるだろうって思うんだ。

JEFF :   僕も学びたいぐらいだよ。

PAUL:   教えるのは好きだよ。教え方を練習できるし、練習しないと忘れてしまうからね。

JEFF :   セミナーとか、きっと毎回同じ質問の繰り返しになることが多いんだろうね。

PAUL:   そう、質問を受ければ受けるほど、「あ?聞くんじゃなかった」ただ指示をしていればよかったと思うんだ(笑)。
        例えば、「さあ、みんな黙ってピック・スクラッチを練習して上手にできるようにしよう」とか。

JEFF :   僕も毎日練習しているよ。

PAUL:   それはいい事だ。ピッキングが秘訣だ。

JEFF :   うん、ロックのコツだよね。今もギターの練習はたくさんするの?

PAUL:   何か目的がある時、例えば、セミナーやコンサート・ツアーの時なんか、たくさん練習しているよ。
       でも基本的に、ショー等がある時は、ただ座って音階の練習をやるよりも、ビートルズの曲とかかき鳴らしている。
         今でもギターをたくさん弾くけれども、形式ばった練習をすることは考えていないなー。ただ楽しく弾いているだけさ。

JEFF :   それでも、今度のソロ・アルバムを作る時など、例えばチョップのスピードを上げるために、何か特別な練習をしなければならなかったの?
             それとも基本的に、普通に曲を弾いている中でテクニックを維持したの?

PAUL:   そうだね。染み付いた感覚はすぐに思い出せるものだよ。通常3,4日、長くとも1週間弾いていれば、僕の手指はフルスピードに戻っている。
             たとえ手指にタコができて多少時間がかかったとしても、トレモロを使わずストリングを曲げて弾くのが好きだから、弾いていれば指が慣れてすぐにスピードアップするんだよ。

JEFF :   それじゃ、スピードを上げるのに、ルーチンの練習をしているの?それとも知っている曲とかを弾いているの?

PAUL:   ルーチンということはないなー。具体的な曲を練習している時は、その曲の音符や部分を練習する。
             それから時々やるのは、これは僕にとって音楽的にもテクニック的にもいいんだけど、クラシック曲を練習するんだ。
             それもギター曲でなくピアノ曲を。クラシック・ピアノ曲をギターで弾こうとするのはチャレンジのし甲斐があるんだよ。
             耳、指など、最大限に駆使しなければならないから、ギター・プレイのあらゆる面ですごく効果的なんだ。
             それに楽譜があまりよくよめないから、全部暗譜しなければならない。そうすると、厳密なスケジュールをこなさなければならなくなる。
             毎朝15分間弾いて頭に叩き込んで、それを一ヶ月間くらい毎日続けてやっと1つの曲を覚えられるんだ。

JEFF :   僕もクラシック・ギターを10年間やっているから、新しい曲を覚えるのが一番能力を試されるって思う。
             インプロンプチュ(即興)はないからね、僕にとって一番大きなチャレンジだったし。

PAUL:   そうだね。クラシックはミスしたら、それはミスなんだ。でも間違えたりした時、即興でその部分を繰り返すんだけどね。(笑)

JEFF :   今までポールのビデオを全部チェックしてきて、たくさん学ぶことがあったんだ。今も練習している部分もあるよ。
             ギター・プレイは僕にとって現在進行中で、まだまだ学ぶことがあって楽しんでやっている。
              ところで、過去のビデオで、今見るともっとああやればよかったとか、今ならこうした方がいいと思うものってある?

PAUL:   長い間、見てないけれど(笑)、そうだね…基本的にあれはあれでいいと思っている。結構満足しているよ。
             既存のギター・スタイルを全てカバーしているわけではないけれども、集中的に短時間で学びたい時にはいいと思う。
             リック(フレーズ)とか、わかりやすいようできるだけ明確に説明をしているしね。
             だから但し書きで、「ラモーンズのアルバム『ロケット・トゥ・ロシア』全部を学ぶのと同じくらい、このビデオの内容を学ぶのは重要だ」と加えたらいいかもしれない。
             少なくともスタイルが明確にわかってもらえたらいいのだけど・・・。

JEFF :   そうだね。

PAUL:   でも、学生はよく自分の世界に没頭するあまり、他のものを忘れていることが多い。
             例えば、最近MIハリウッドで個人レッスンをした時、ラモーンズの「クレティン・ホップ」を覚えてプレイしなければ、個人レッスンを受けることが出来ないと言ったんだ。
             面白かったのは、誰もその曲に対して敬意をはらっていなくて、ただ覚えてプレイしていた。「どうしてこんな曲やらせるんだ、全然よくないじゃないか」と言いながら。
             だから彼らに弾いてあげて、どんなにクールな曲か、簡単だけれどもリズムがダイナミックですごくパワーがあることを説明したかったんだ。

JEFF :   今でこそ僕はツアーをしたりプレイしたり、実際たくさん曲を書いたりしてとても忙しいけど、ギターを一生懸命勉強していた頃、
             シュレッディングに夢中で早く覚えようとしていた時、僕も同じ様なやつだった。わからなかったと思う。
             でも今は、曲作りも経験してその重要性がわかって、見方が断然変わった。今度は両方を上手くブレンドすることを目指したいと思っている。
             ギターの強烈さ、スピードを保ちながら、曲作りの面も大切にして行きたい。大きなチャレンジだと思う。

PAUL:   確かに両方やるのは難しいし、時間もかかるだろう。
             面白いのはロックの世界の有名なミュージシャンで、いい曲を作る人はたいていプレイがそんなに上手でなく、その逆もそうなんだ。

JEFF :   でも、頑張れば両方ともきわめるのは不可能ではないよね、現在手探りしつつ進行中で先は長いだろうけれども。

PAUL:   可能だと思うよ。

JEFF :   それで、多くの人はリックを覚えたり書いたりするのに何かシステムのようなものを持っているみたいで、自分で曲を書く場合は覚えやすいけれども、
             種類を増やすのにどんなことをしているか、何かシステムがあるのか、書き留めているのか、
             何かやっていることがあるのか、それともうまく行くように、覚えられるように祈るだけなのかな?ポールはどう?

PAUL:   僕は、最初は他の人の真似をしていた。ブラック・サバスやキッスなどの古いレコードのソロを覚えて、他の人のソロがうまく出来た時、ただ喜んでいた。
             それを何年間も何度も繰り返して弾くうちに、独自のバリエーションを編み出したり、時には間違って聞いたものをそのまま覚えて、自分のものになることもあったよ。
             学校で学んだことの1つは、線図の用紙があって、その図がギターのネックの形にそっくりで、それに音階やコードを書き込むと指のポジションを覚えることができた。
             今でもそれが役立っているよ。新しいアルバムで、例えば「ジャックハマー」という曲はソロが変わった音調で、ロックには珍しく嬰ハ短調音階を使っていて、
             だからその用紙に書き出して指のポジションを覚えようとしたんだ。特に速く弾く時、暗譜しなければならないから便利だ。

JEFF :   それはすごくタメになる話だね。基本的に最初はレコードから聞き取って、何度も弾いて自分の中に刻み込んだんだよね?

PAUL:   そうだよ。僕の説明を言葉通りに取ると、同じリックを何度も繰り返さなければならなくて、ひどく退屈なことのように感じるかもしれないけれども、
              実際は全然違っていた。なぜならいつもロック・バンドにいたから。最初のロック・バンドは11歳の時だったんだ。
              覚えたリックを色んな曲の中で、違ったテンポ、キー、グルーヴで何度も繰り返してプレイして自分のものとなった。
              弾いていて、これはシャッフル・グルーヴが合うとか合わないとか、色々なことがわかって上達でき、これほど貴重な体験はないと思った。
              実際のバンドで色々試してはフィードバックがあり、同時に歌ってプレイするのを生で学ぶことができたんだ。

JEFF :   そうかー、それでよくわかったよ。シークエンスやリックなどについて、ポールはビデオでも言及しているけれども、
              シークエンスの多くは明らかに練習曲でなくちゃんとした曲だよね。
              シークエンスを作る時、練習曲と楽曲との間の一線はどう引いているの?どうやって曲の音楽性を高めるの?
              例えばリックを作る時、自然に即興で作るのか、それとも実際にじっくり考えて作るの?

PAUL:   一番の基本は、ヴォーカル・ラインを繰り返すこと、あるいはそのバリエーションを編み出すことだな。
              また、前にも話したバッハ等クラシック・ピアノ曲からリックを取ることもある。
              バッハは本当に様々な旋律のシークエンスがあって、テクニックが試されると同時に旋律がとても美しい。
              これはギター・ソロだけでなく、作曲全般に適用できる。それから想像力を働かせて作るよ。
              よく自分が観客席からステージ上のバンドを見上げていて、どんな曲を聴いたらぶっ飛ぶだろうと想像するんだ。どんな曲だったら楽しめるだろうか、とね。

JEFF :   最近のバンドやアーティストでいいと思うもの、エキサイティングと思っているものは?

PAUL:   君たち(シンプル・プラン)はいいと思うよー。

JEFF :   本当?。ありがとう! 嬉しいよ。

PAUL:   そうだな・・ドナスが好きだね、ラモーンズとスタイルが少し似ていて。

JEFF :   ギタリストがクールだね。

PAUL:   そう、彼女はロックしてるね。それから、昔からいて今も現役アーティストでいる人が好きだな。エルヴィス・コステロの新しいアルバムがいい。k.d.ラングも大好きだよ。

JEFF :   僕も同じだ。エルヴィス・コステロの新しいアルバム本当にいいよね。

PAUL:   すごくライブ感が出ているよね。

JEFF :   『ブルータル・ユース』というレコード覚えている?

PAUL:   うん。

JEFF :   彼の中でそれが一番気に入っている。今まで話した要素がいくつか入っていてとても嬉しい。彼のやるロックに一番注目しているんだ。

PAUL:   彼は偉大なシンガーだよ。バート・バカラックとのコラボもいい。

JEFF :   本当に素晴らしいよね。

PAUL:   面白いことに、僕の教えているヘビメタ・キッズが、「バート・バカラックとエルヴィス・コステロのレコードが一番いいよ」と称えていたんだ。
             レコードを聴いて幻覚を起しているんじゃないかと思ったよ(笑)。

JEFF :   ラフな声で最初は取っ付きにくいけれども、僕は大好きで、ああいう風に歌えたらいいと思う。

PAUL:   それで、思い出すんだけれど。あまり有名でないけれども、アメリカの90年代にイナフ・ズナフというグラム・メタル・バンドがあって、彼らの曲が大好きでね。
             特に初期の頃の収録はデフ・レパード風のスネアが効いていてすごくいい。

JEFF :   うん。僕も知ってるよ。確かギタリストが元バイオリン奏者だったね?

PAUL:   え?、そうだったんだ!

JEFF :   うん、彼らはカナダでビッグだったよ。

PAUL:   大好きだよ。彼等は、ずっとレコーディングし続けていて、かれこれ10枚以上のアルバムを出している。
             リード・シンガーのドニー・ヴィーは僕のヒーローの一人で、素晴らしい曲を歌っている。エルヴィス・コステロと歌い方がよく似ているかもしれない。

JEFF :   あまりよく覚えていないから、彼らのアルバムを聞いてみるよ。

PAUL:   ワイルドハーツというバンドを聴いたことあるかい?

JEFF :   否。

PAUL:   日本にいる間にチェックした方がいいかも。UKバンドだけど、日本でヒットしたんだ。
             「I Want To Go Where The People Go」が入っているのなら、どのCDでもいいから聴いてみるといいよ。きっと興奮するぞ。

JEFF :   今まで話してきたようなバンド?

PAUL:   彼らは、チープ・トリックとセックス・ピストルズが出会い、もう少しモダン風にアレンジしたもの。素晴らしい曲と歌で、ものすごくハイ・エネルギーなんだ。

JEFF :   そうか、すぐ買って聴いてみるよ。

PAUL:   君たちの日本のレーベルは?

JEFF :   ワーナーだよ。

PAUL:   じゃあ、誰でもいいからワイルドハーツについて尋ねてこらん。みんな知っていると思うよ。

JEFF :   必ずチェックしてみるよ。そういうバンドに注目するのは、ポールが一番の関心持っているのが歌だからだよね?

PAUL:   あはは。それだけではないかな。今もギター・プレイが一番エキサイティングだと思っているよ。それは聴く側よりも、むしろ演奏する側としてだけどね。
             セミナーやツアーに出るとたくさんプレイして、スピーディなプレイとクレイジーなソロで、人々を恍惚にさせるのが面白いと思う。
             スポーツのようなものだよ。ちょうど有名なオリンピックの体操選手が技を披露するような感じだと思う。でも家に帰ると、k.d.ラングのCDに戻る。(笑)

JEFF :   明らかにそれだけの技を維持するのに相当練習したんだろうね。
             どうやって曲作りの面と早業の面との間のバランスを取ったの?それはバンドで演奏して自然とそうなったの?

PAUL:   ビートルズと60年代のポップスで育ったので、それが僕の血の中にあるんだと思う。
             初期の頃のレーサーXはヘビーだったけれども、実は ”If you want my love you got it” と歌っているチープ・トリックの素晴らしいバラードのコードを取って、
             レーサーX の「Into The Night」に応用したんだ。レーサーXファンは誰も気付いていないと思うよ(笑)。

JEFF :   ギター演奏と曲作りとのバランスについてなんだけど、ポールにとっては…。

PAUL:   愛みたいなものだよ。インストルメンタルのクレイジー・ギターを聴くのが本当に大好きなら、そうすればいいし、
             とにかくギターが我慢ならなくて、ピアノや弦楽器の入ったポップスが大好きなら、それを聴くといい。好きな音楽を追えばいいんだよ


JEFF :   僕にとって克服しなければならないことは、曲作りで忙しい時はあまり練習する時間がなく、次のレベルに進むのが難しいと思っている。
             今は練習する時間が少ない、前みたいに1日10時間とか練習できない。
             僕としては即興でやるプレイやテクニックを磨きたいし、少なくとも以前のレベルを取り戻したいと思っているけど、どうすればいいのかな?
             クラシックのトレーニングを受けて来たから、明らかに他の部分と比べて即興の部分が弱いと自覚しているし。
             ステップアップに苦労しているんだ。アドバイスがもらえたら・・・。

PAUL:   僕の秘訣は、とにかく楽しむことなんだ。面白ければやるだろう。退屈で飽き飽きするものなら、数週間はやるだろうけれども、そのうち他の事が入り込んできて長続きしないんだ。
             面白くするには、一緒にプレイするのが好きなCDを探すことや、バンドをやっているんだからサウンドトラックを作ったり、曲をプログレッシブ・ロック風にアレンジしたり楽しむことだよ。
             僕の場合、いつも自分の弱点にインスピレーションを受ける。GITで色んな音階を学んだ後、自分のブルース・ロック・プレイのテクニックがすごく弱くなったことが分かったんだ。
             色々な勉強した結果、まるで違ったフィーリングや音になってしまった。そんなとき、パット・トラヴァースのライブ・アルバム『Live! Go For What You Know』を見つけて来た。
             そのアルバムでは二人のギタリストがいて、そのギター・ソロを練習したら、全く違ったサウンドやギター・プレイへのアプローチに目覚めて新境地が開けた。
             それは今も一番インスピレーションを受けたアルバムの1つとなっている。

JEFF :   すごいね。そういえば、そのインタビューの記事を読んだのを覚えているよ(笑)。

Jeffとの電話インタビューについて、Paulからのコメントを紹介します。

PAUL:   ジェフはカナダ人で、フランス語圏だから英語は母国語じゃないと聞いて本当にびっくりしたよ。だって彼の英語は完璧だもの。感心した。とてもナイスな青年で、話しやすかった。
             ただ、そうやって若いミュージシャンが、僕の音楽を聴いて育ったという事実を知るといささか戸惑うんだ。なぜなら、僕はどのバンドでも常に最年少だったからさ!

             He is from Canada where many people speak French, and I was very surprised when he told me that English was his second language.
             His English was perfect, so I was very impressed. Of course, he was very nice and easy to talk to.
             It’s always a little strange when I realize that there are younger musicians who grew up listening to me.
             For the longest time, I was always the youngest one!

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