西中国山地国定公園の山々の中で、何故か、聖山だけは未だ登っていない。
聖山単独では面白くないので、聖山から高岳への縦走をすることにした。
手持ちの案内書のどれを見ても、「この縦走路は道が荒れて一般向きではない」との事。
現地に行ってから考える事とする。

お馴染みのコース、中国道・戸河内ICを出て深入山方面へ向かう。
そこここの桜が満開だ。
深入山の「いこいの村ひろしま」を過ぎ、道戦峠を越えて直ぐ・・・

桜満開 深入山 いこいの村前 道戦峠の先・・・



・・・左折して樽床ダムへ向かう。
ダムの堰堤を渡ると、左に駐車場がある。

樽床民族博物館入り口方面へ進む。

その先に、昭和32年にダムの底に沈んだ樽床の村人の「望郷の碑」がある。
当時、国は戦後の復興の為、電力を必要とし、ここ樽床の地にダムを建設した。
大義名分の為に故郷を追われた住民の無念さが、聖湖に向かって建つ胸像の顔の皺に漂う。
この人々の犠牲の上に、現在の我が国の繁栄がある事を、我々は思わねばならない。
様々の人の思いを飲み込んで、今日も聖湖は静かに美しい。

・・・左折・・・ ・・聖湖ダム渡り・・ ・・左に駐車場 樽床民族博物館
方面へ
離郷者望郷の碑 後藤吾妻氏像
樽床ダムを望む



「望郷の碑」のすぐ先に、「中の甲林道」の入り口。ここを登山口とする。
十文字峠まで車で入れない事はないが、ここは歩くべきだ。
早春の木々は、葉を落としたまま。
従って、展望の無いと云われるこのルートは、今の時期、眺めは良い。
登山口から5分で遭難碑。周囲には、まだ残雪が見られる。

中の甲林道入り口 登山口 遭難碑 残雪



葉の無い木々を透かして、今から行く聖山から高岳への稜線が一望できる。
宿り木だけが緑の葉をつけている。
やがて十文字峠へ到着。登山口から35分。駐車場から40分。

聖山 高岳 十文字峠



十文字峠は想像していたより広い。立派な林道が二本も左に分かれている。
ここから右の山道に入る。
カラマツ林を行くと、高岳への最初の分岐点があるが、あまりハッキリしない。
十文字峠から20分。登山口から55分。駐車場から1時間。

十文字峠 十文字峠 十文字峠 カラマツ 最初の高岳分岐点



残雪の斜面の左を巻くように行き、その先、すこしジグザグの道を登る事10分で、
北側の展望の開ける岩の所にでる。
十文字峠から30分。登山口から1時間05分。駐車場から1時間10分。

残雪の斜面 展望の・・・ ・・・小岩 小岩の上から・・・



正面、聖湖の向こうに臥龍山と深入山が望める。
ここも、木々に葉のない今の時期なら、展望は良いのだが・・・。

更に山頂に向かうに従って、次第に残雪が深くなる。

左・臥龍、右・深入 更に山頂へ



岩の展望所から5分で高岳への分岐点。
さらに聖山山頂へと、残雪を踏み抜きながら進む。

高岳分岐点直進 高岳分岐点 足跡 残雪 左に砥石郷山



分岐点から5分で聖山山頂。三角点タッチ。
山頂には展望が無い。木々の間から砥石郷山の大きな姿が望めるのみ。
十文字峠から40分。登山口から1時間15分。駐車場から1時間20分。

展望を求めて更に奥(南)へ1分。壊れた雨量測量小屋の先に展望の広場がある。
小岩の上に立って、南側の山並を眺める。

聖山山頂 三角点タッチ 更に奥へ 雨量測量小屋
廃虚
展望の小岩



左から、少し梢に隠れて恐羅漢山・旧羅漢山
その右に広見山、中川山、天杉山、野田原の頭と並ぶ。
更に遥か春日山。懐かしき山々である。

展望の広場から引き返して5分。
高岳分岐点から左(西)へと縦走路を降る。

恐羅漢山・旧羅漢山 広見山
中川山、天杉山
中川山、天杉山
野田原の頭
春日山 高岳分岐点



縦走路は、初め残雪があるものの、踏み跡ははっきりしており、下刈りも充分。
テープもしっかり確認できる。
色々の山の本の記事からは、想像も出来ない程、素晴らしく奇麗に整備されている。
薮こぎは一個所も無く、迷う所も無い。
後で聞けば、2〜3年目に整備されたのだそうだ。

高岳縦走路へ 残雪を降る コルから・・・ ・・・次のピークへ 高岳



縦走路は、南側は植林などで展望が聊か悪い。
しかし、北側・聖湖方面には、葉を落とした自然林を通して素晴らしい展望が続く。
この縦走路は、葉の繁る夏は緑のトンネルとなり、展望の縦走路とはいかないであろう。
縦走路としては、早春の今の時期が一番良いのではなかろうか。

縦走ろから望む・・ ・・高岳・・ ・・大佐、臥龍・・ ・・深入山



行く手右前方に、常に高岳を眺めながら縦走路のアップダウンを繰り返す。
振り向けば、なだらかに裾野を広げた聖山と、通り過ぎた縦走路のピークが重なって見える。

また降り・・・ ・・・また登る 振り向けば聖山



初めは数えていたアップダウンのピークの数も、多すぎて忘れてしまう。
何度目かのピークの上から、高岳からの縦走組が降りて来る。
なかなか高岳は近づかない。

また降り・・・ ・・・また登る
高岳からの登山者
高岳が少し近づく



最後のアップダウウンのピークと思われる1101mピークを通過。
聖山から1時間。十文字峠から1時間40分。登山口から2時間15分。駐車場から2時間20分。
縦走路はここで約半分。

臥龍山 聖湖と深入山 また降り・・・ ・・・また登ると・・・ ・・・1101mピーク



1101mピークを降り、更に登り返す。高岳が少し大きくなる。
更に降って、また登り返す。高岳は少しは近づく。

1101mを降り・・ ・・また登ると・・・ ・・・眼前に高岳 再び降り・・・ ・・再び登り返す・・ ・・近づく高岳



またまた降って、またまた登り返す。まだ高岳のピークはそこにある。
またまたまた降って、またまたまた樹林帯のトンネルの中を登る。

やっと、山頂手前の笹原にたどり着く。

再度降って・・・ ・・再度登り返す・・ ・・高岳眼前 最後の登り返しで・・ ・・山頂手前の・・ ・・笹原を行き・・



やっとのことで、高岳山頂に到着。三角点タッチ。
1101mピークから1時間。聖山から2時間。
十文字峠から2時間40分。登山口から3時間15分。駐車場から3時間20分。

・・ようやく・・ ・・山頂へ・・ ・・三角点タッチ


久し振りの高岳。やはり360度のパノラマは・・・
・・・さて置き、先ずは乾杯と例の「豪家昼飯」。

鶏照焼き弁当
¥380
ナス鶏みそあんかけ
¥230
シャウエッセン にぎりめし 大福餅



お腹が落ち着いた所で、改めて360度のパノラマを見渡す。
ゆったりとした弥畝山。右に視線を巡らせば、鷹ノ巣山と大佐山。大潰山。
掛頭山、臥龍山と深入山。

弥畝山 鷹ノ巣山と大佐山 大佐山、大潰山
掛頭山 臥龍山 深入山



対して向真入山。続きの内黒山から十方山への稜線。
眼前に聖山。その左肩にチラリと砥石郷山
聖山の右に、県下最高峰の恐羅漢山・旧羅漢山
恐羅漢山の右手前には天杉山・野田原の頭
その右手遥か春日山。そして視線は弥畝山に戻る。

向真入山 内黒山 砥石郷山
恐羅漢山・旧羅漢山 天杉山 春日山



見渡す山々の中に、ツキノワグマが生息しているとか。
今日もカウベルを腰にぶら下げて、「妙なる楽の音」を響かせてきたが、
熊君の耳に届いたであろうか。冬眠の邪魔をしたかな・・・。

一時の微睡(まどろみ)の後、下山開始。

山頂から少し下ると、目の前に聖湖の全景が広がる。

下山開始 聖湖と臥龍山・・・ ・・・深入山



急な坂を一気に降って行く。
右手の木々のカーテンの向こうに、縦走してきた聖山から1101mピークへの稜線が見える。
その稜線も、次第に見上げるようになる。
高度を下げ、小さな沢を渡る。冷たい沢水で顔を冷やす。

右・聖から高岳・・ ・・への縦走路 急坂を降る 小さい沢を渡り・・



直ぐに、幅の広くなった沢を右岸へ渡り返す。
高岳山頂から30分。聖山から2時間30分。登山口から3時間45分。

杉の植林帯の中を沢沿いに進むと、広場に着く。
その先直ぐに、湖畔道路の樽床橋の袂の高岳登山口。
高岳山頂から45分。聖山から2時間45分。聖山登山口から4時間。

・・大きい沢を渡る 杉植林帯 広場へ 広場の登山標識 樽床橋へ 橋の袂の登山口



高岳登山口からダム堰堤に向けて、湖畔道路を行く。
主のいない湖畔の家の、赤いポストの名前も消えている。

湖畔道路をダムへ 廃屋 ポスト レストラン跡



高岳登山口から聖山登山口の「中の甲林道」入り口まで30分。
高岳山頂から1時間15分。聖山から3時間15分。一周して4時間30分。
直ぐに駐車場帰着。
休憩時間も入れて6時間の楽しい山歩きであった。

帰路、聖湖湖畔から、改めて今日歩いた山並を眺める。

聖山登山口帰着 熊除けベル 駐車場帰着 聖山から・・・ ・・・高岳への縦走路



温泉
お馴染み、深入山の「いこいの村ひろしま」セラミック温泉。
広い大浴場は、私以外は誰もいない。貸し切りだ。
これ幸いと、泡風呂の中で、ピンカラトリオの艶歌をうなる。
エコーが良く効く。

山焼き後の深入山


反省会はホームタウンの行き付けの店で。
マスターの今日の「お勧め」は、鯛刺し。

聖山〜高岳の縦走路は、いたく気に入った。
雪の季節はいざ知らず、早春の今の時期(四月上旬)がいい。
「お勧め」である。