広島市職員労働組合

しぶきバックナンバー

しぶき記事

退職手当見直し 市労連で交渉
再任用含む高齢職員の賃金改善訴え
苦渋の決着

 1月23日、広島市労連※は、12月25日に提案があった、退職手当の削減についての第2回目の交渉を行いました。


当局 退職手当見直し 当初提案通り再提示


 当局からの提案事項に変更はなく、他の政令市、県が国に準じて退職手当の見直しの提案や合意を進めており、官民の均衡と他都市の状況から退職手当の見直しは避けて通れないとの見解を再度示しました。


見直し反対 退職後の生活設計に欠かせない


 市労連からは、福永議長が発言し、退職手当は退職後の生活設計の上で大きな役割を担っており、年金支給開始が遅くなるなか、その重要性は高いものであり、提案に対してはどの労組も反対の立場であることを当局に伝えました。次年度の交渉の課題で職員の労苦に報いる労働条件改善をすることが、市労連として一致した要求であることを訴えました。


給与制度見直し等 高齢層には厳しい状況


 市職労の塩見委員長は、給与制度の見直しや、住宅手当(持家)の廃止、扶養手当の見直しなど、高齢層職員に対しては、非常に厳しい状況が続いていることを市当局として十分認識し、再任用職員の賃金水準の引上げ等を検討することを強く求めました。

 他労組からも、このままでは職員のモチベーションが上がらないなど、市当局が各組合の要求に対し真摯に応えるよう求める声が続きました。


別途課題の交渉の場で削減分に見合う改善を


 しかし、退職手当の見直しについては、状況的に押し返すことが困難であると組合側も認識しており、別途課題の交渉の場で退職手当の削減分に見合う賃金・手当の改善をすることを強く求め、市当局提案どおり妥結することで交渉を決着しました。

嘱託 学校給食調理員支部 回答交渉
賃金・「会計年度職員」で改善を

 市嘱託労組学校給食調理員支部は1月22日、昨年10月に提出した要求書についての回答交渉を行いました。


賃金・労働条件で具体的前進なし


 教職員課の吉岡課長から支部に対して、11月の広島市嘱託労組連絡会の回答交渉についての報告がありました。賃金面など給食調理員としての改善はなく「何ができるか検討しているが、なかなか思うような具体化にならないが、引き続き関係部局に強く伝えていく」と、残念な回答でした。


「会計年度職員」 事前に労使協議を


 また、平成32年4月に会計年度任用職員という新しい制度が施行されるにあたって、「不安を抱えている嘱託職員が多く、この制度に切り替わる時は、そこで働く者の思いを十分に聞いて、働く者にとって今よりも良い制度となるよう労使協議のもと、制度を作ってもらうように」と強く求めました。

 吉岡課長からは「十分承知している。双方の協議は必要と認識している」と返答がありました。


働く者が安心して働けるように


 支部は、『安心・安全・おいしい給食』を作るために、そこで働く者全てが『安心・安全・やりがいのある給食』作りができるよう、引き続き要求実現をめざして運動していきます。

理想の市政とは?
広島市政研究会

 1月25日、市労連室において、広島市職労と広島自治体問題研究所共催で、広島市政研究会が開かれました。広島自治体問題研究所の橋本和正事務局長が、広島市の財政についての分析報告を行ない、参加者で疑問を出し合って討論しました。

 今後、職場の視点から、また市民の立場から広島市政のあり方を研究し、今秋に発刊予定の第11次広島市政白書づくりに生かすよう、取り組みを継続することが確認されました。

 以下に橋本氏の広島市財政についての分析報告を要約掲載します。


地方税収入に大きな変化なし


 橋本氏は、歳入については地方税収入に大きな変化はなく、「政府は『好景気』を言うものの地方の所得は伸びていない」と説明。社会保障や福祉にかかる国庫支出金が増大している点と、臨時財政対策債残高が増大し1兆円を超えたことを指摘しました。


扶助費増が顕著 再び土木費が…


 歳出では、性質別にみると「社会保障・福祉にかかる扶助費が顕著に増大し、人件費はほとんど変化がない」と指摘しました。

 目的別歳出では、民生費が突出している点を強調し、土木費が再び増大する動きがあることに言及しました。その代わり、商工費・農林水産費の減少で、地域経済の活性化に向けた動きが感じられず、都市部と中山間地域のとの格差が広がっていることに懸念を示しました。


扶助費民生費 増大の原因は?


 参加者からは、扶助費や民生費の増大の原因について質問が出され、それに対して橋本氏は、非正規で働く労働者の増大と、高齢化、生活保護にかかる人が増加していることが原因であることを示しました。

ちょっと待った!民間委託B
官製ワーキングプアの拡大にならないか

 バブル崩壊以降の労働者の権利を守るたたかいとして特徴的なことの一つに、企業が「守られた」労働条件の外側に労働者を追い出す―そして、追い出された労働者が無権利となる実態を社会に訴えて、労働者の権利や働くルールを再構築する、そのせめぎ合いがずっと現在まで継続していると言えます。


公務部門も非正規置き換え

 それまで正社員が当たり前で、労働者がある程度「守られた」労働条件のもとで働くことができました。しかし、雇用の流動化の名のもと、多くの労働者をこの枠の外に追い出し、非正規・不安定雇用の労働力へと置き換えていきました。企業だけではなく、公務部門でも同じように、正規職員の人員削減を強引に進めるなかで、自立して生活することができないような労働条件の臨時・非常勤職員の雇用が急速に拡大。待遇の低さから官製ワーキング・プアとして、大きな社会的課題と位置付けられるまでになりました。


法定最賃引上げを掲げ

 労働組合では、このような問題に取り組み、非正規雇用労働者の待遇改善を訴え、個々の職場での賃上げ・待遇改善の運動と合わせ、政府に制度の見直し、賃金底上げの方法として法定最低賃金の引上げを運動の主軸に据えてたたかってきました。


外部化も労働条件切り下げの手段

 また、非正規化とともに進められたのが外部化=アウトソーシングです。なかでも、一部の企業が、従業者一人ひとりを個人事業主の請負契約という形態で業務をさせました。労働法も守らなくていい、使用者責任も負わなくていい、社会保険料も払わなくていい、個人の責任だとする悪質な手法です。実態は労働者でありながら、これらの責任から逃れるための脱法的な契約にあたるとして、裁判などを通じて、「偽装請負」として、こうした手法が断罪をされました。

 実態は直接雇用と変わらないのに外部化し、労働条件を切り下げる、働くルールの外に労働者を追いやるようなやり方に対し、請負契約の濫用を防ぐため、偽装請負を違法行為として、労働者を保護するよう裁判などを通してルールが再構築されてきたのが現在です。


民間労働者に負担を強いる

 ただ、公務分野でも、実際に民間委託を進めるなかでは、偽装請負が疑われるグレーな運用がされているケースが報告されています。

 民間委託ありき、公務員の削減ありきでは、民間の労働者に負担を強いて自治体運営をするような、そんなアウトソーシングになりかねない。そのことが懸念されます。