広島市職員労働組合

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しぶき記事

職場の生の声 聞いて
職員削減はもう限界

 市職労は1月17日、人事部長に対しての交渉の場で、時間外削減問題などで、実効ある対応を要請しました。


職員削減中止して職場実態の把握を

 塩見委員長は、10月に通知された「全所属長・全職員を対象とした良好な職場づくりに関する研修の実施について」や12月26日付の「時間外勤務縮減に向けた取組の強化について」に触れて、職員からの、「職場の実情を理解していない。しなければならない仕事を置いて帰るわけにはいかない」、「小さい子どもがいるのに残業なしではこなせない業務を任されている。自分の生活や健康を犠牲にして仕事をしている」という、率直な感想が寄せられているアンケートの切実な声を示しました。

 そして、「職場の現状は、度重なる国の制度変更に伴う業務の増大など、これ以上の職員削減は困難。職員削減計画は一旦中止し、すべての職場の実態を把握したうえで検討するべき」と主張しました。


職場に思いを致すも踏み込んだ言明なし

 人事部長は「職場の状況が大変なことは認識しており、人員削減計画のなかで育児休業者を対象から外す修正を行い、できるだけ職場の現状に対応できるよう考えたい」と答弁がありましたが、それ以上の踏み込んだ言明はありませんでした。


度重なる人員削減で正規職員1万人を切る

 平成8年度に1万3千220人いた正規職員は、平成9年度から始まった人員削減計画によって平成28年度には、9千521人にまで減少しています。3千699人もの人員が削減され、平成8年度時の実に約28%も人員が減少しています。


削減先にありきでなく実態に即して再検討を

 これほどまで人員を削減した広島市の職員削減計画は、「人件費削減、先にありき」で進められ、人員削減によって職場がどうなるのか、検証なしに突き進んでいます。

 職員削減によって職場がどう変わり、市民サービスにどう影響するのか。このことは市民にとっても重大な問題です。人事当局は、現場の生の声をよく聞いたうえで、職員削減を一時中止し、再検討すべきではないでしょうか。

業務に見合う待遇改善を
市嘱託労組・調理員支部 回答交渉

 市嘱託労組学校給食調理員支部は1月19日、教育委員会室で10月に提出した要求書に対する回答交渉を行いました。担当課長より11月に既に決着している広島市嘱託連絡会嘱託交渉による月額報酬と増額報酬、休暇の改定について報告がされ、調理員支部が出した要求項目についてもそれぞれ回答(別掲)がなされました。

 「厳しい財政難の中ではあるが関係部局へ伝える」という言葉が繰り返され、他職種の嘱託と比べても低い学校給食調理員の賃金引き上げには至らず、残念な回答でした。


責任の重さを考慮した待遇に

 竹之上支部長は「嘱託導入から18年、18年と言えば生まれた子どもが選挙権を持つまでに時代が変わって、学校給食も正規職員の中で働く嘱託・臨時であったものが、正規1人に対して働く嘱託・臨時となってその責任の重さ、調理内容・衛生管理の大きな変化という仕事内容の変動に待遇改善が追いついていない。正規職員と同じ知識と気持ちで働いている現状を考慮してほしい」と訴えました。


市は非正規への対応変えるべき

 市嘱託労組の亀井委員長は、「総務省は12月27日、『地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会報告書』を公表、報告書では制度改正について検討するよう総務省に求めている中で、市も非正規の対する考えを変え、対応していくべきではないか」と述べました。

老いも若きもまともな年金を
社会保障削減 年金減額ノー

年金裁判支援する会結成

 1月15日、広島弁護士会館で、「年金裁判を支援する広島の会」の結成総会が開催され、70名が参加しました。総会は、県下36名の原告とともに「老いも若きもまともな年金」がもらえるよう運動を広げていこうと呼びかけました。

 総会に先立ち学習講演が行われ、鹿児島大学の伊藤周平教授が、「社会保障『解体』のゆくえ―年金引下げ問題を中心に」と題して講演しました。


根源は社会保障削減と軍拡

 伊藤氏は「問題の所在は安倍政権のもとで進む社会保障削減と軍拡だ」として、防衛費(軍事費)が5兆円の大台を突破する一方で、社会保障費の自然増6700億円が5000億円に圧縮され、2013年から3年かけて、年金額が2・5%下げられている実態を解明。年金減額処分が憲法違反だとして、取り消しを求める年金生活者による集団訴訟運動が起こっていることを紹介しました。


社会保障削減は憲法に抵触

 「持続可能な社会保障制度の確立」を標榜する政府に対して、「実態を無視した社会保障費の圧縮削減は憲法25条に抵触する可能性がある」と。「国民は『消費税増税で社会保障費を賄うには無理がある』と気づき始めている」と指摘。


対案示せば政権支持率変わる

 「安倍政権の高支持率は消極的支持層が占めており、野党が明確な対案を示せば、支持から不支持に変化する可能性がある。年金裁判支援を通じて、対案を提示し、次期衆院選挙の争点としていくべきである」と訴えました。

公務の変質を招く 産業化
公務の産業化を考えるB

 政府は、公務・公共部門の産業化を、これまで以上に推し進めようとしています。従来の民間化では、行政コストの削減や効率化といった題目がうたわれていましたが、ここにきて、公務部門を産業として民間企業に市場開放することが目的化してきています。


公務を産業として民間に市場開放

 こういった動きと連動して、公務公共部門への参入を目指す企業は、地域活性化などを目玉にしたプランを自治体側に提案し、公共施設管理等に名乗りを上げています。すでに全国各地の公共施設で、企業が事業者として運営に参入しています。


各地の公共施設で企業が事業者に

 公務の産業化は何をもたらすのでしょうか。

 自治体問題研究所の角田秀昭氏は、行政サービスの性格、あり方が以下のように変質すると分析しています。

 @住民を見る視点が変わる。主権者、権利主体ではなく、顧客、行政サービスを購入する対象になる。


 A行政サービスも購入すべき商品となり、メニュー化、オプション化する。そのため、受益と負担の関係が徹底され、格差が拡大する。


 B公務労働では、効率性、経費削減、マニュアル化、マネージメント能力、直接執行より外部化、上位方針が重視される。


 C民間化では仕事確保のため、事業者間に競争原理が働き、そこで得られた技術やノウハウは秘匿、内部化、競争の道具になり、利用者・住民に還元されなくなる。

 D業務運営では非公開性が高まり、住民・利用者の参加が後退する。


 E公共サービスを担う労働者の非正規化、不安定・低賃金労働者が多くなる。


 F行政に専門性、ノウハウの蓄積がなくなる。


民間参入で失われる数字化できない財産

 民間参入によって、目新しく、これまでより便利になったように映るでしょう。しかし、そのことと引き換えに、自治体や住民がこれまで大切にしてきた、目に見えない数字化できない財産が失われることを危惧します。


住民は主権者行政・まちづくりの主役

 広島市職労は、住民を「お客さん」にするつもりはありません。住民は主権者であり、主役として行政・まちづくりに参加できることこそ、真に自治体が果たすべき役割ではないでしょうか。


※連載「公務の産業化を考える」は、bP416(16年10月27日)に@を、bP417(16年11月4日)にAを掲載。