「格差社会」 格差は広がる一方
増大する不安定雇用

 9月23日の市職労賃金学習会で、大きなテーマの一つであった「社会保障と労働組合の役割」について、しばらく本紙上で、考察していきます。

「格差社会」が問題になって8年が経過
 小泉政権の末期に「格差社会」が問題になってから8年が経過しましたが、その後も格差が広がる一方です。年収200万円未満の労働者は2012年に1120万人(23.9%)となり、全労働者の4分の1に迫るほどワーキングプアが増加しています。
 その大きな要因として考えられるのが、1985年に施行された労働者派遣法と、その後の改正による規制緩和政策で非正規労働者が著しく増大したことです。
 「新時代の日本的経営(1995年)」が打ち出される以前の1992年に比べ2012年には非正規労働者数はほぼ倍化し、非正規率は38.2%と4割に接近し、女性では6割に近づいています(図1)。

非正規就労と失業交互に繰り返す
 また、最初についた仕事の雇用形態が非正規雇用だった人が年々増加し、2012年には、ほぼ4割(男性29%、女性49%)に達しています(図2)。非正規から正規への転職はほぼ困難な状況にあるため、極めて深刻な事態となっています。派遣、アルバイト等非正規就労と失業を交互に繰り返し、そこから抜け出せる見通しがないのが現状なのです。
 失業は、個人的責任で起こるのではなく、資本主義社会では不可避的に起こるもので社会的な要因です。今、日本で起こっている不安定雇用の増大にみられる雇用の劣化をどう立て直せばいいのでしょうか。次回はその点について考えてみたいと思います。
(図1・図2は、いずれも「総務省『就業構造基本調査』2012年」によるもので、2015年国民春闘白書データブック(学習の友社)から転載)

たたかう方針を確立
賃上げ・人員増求めて

 市職労は10月14日、市社会福祉センターで、第103回大会第1回中央委員会を開催しました。

「戦争法」めぐる国民的運動の広がり
 参議院での強行採決で9月19日に「戦争法」が成立しましたが、平和主義、立憲主義を否定する安倍政権の独裁政治を許さないという、国民の運動がかつてなく大きく盛り上がり今日に至っています。

引き上げ勧告も実質マイナス 職員減で深刻な状況
 人事院が8月6日、広島市人事委員会勧告が9月16日、それぞれ2年連続で月例給・一時金の引き上げを勧告しましたが、同時に広島市人事委員会は「公務員給与の総合的見直し」実施も勧告しました。これが実施されれば、賃金は実質的にはマイナスとなり、とても容認できる内容ではありません。また、フレックスタイム制の導入に言及するなど、時間外手当の削減をすすめる勧告を行っていますが、いまでも職員削減は一向に止まらず、業務にさまざまな支障が出るなど深刻な状況が続いています。

厳しい職場実態のなかで精一杯の奮闘が
 中央委員会は、賃上げや人員増を求める2015年賃金確定闘争と合わせ、2016春闘に向けて安倍暴走政治の転換をめざしてたたかう方針を提案しました。6人の中央委員が発言。職場の厳しい実態が述べられるなかで、精一杯頑張っている姿が切実に語られました。

当面の賃金確定闘争での奮闘を確認
 10月27日の広島市労連第1回賃金確定交渉を皮切りに、11月6日には本庁舎前で総決起集会を行い、11月12日の賃金確定交渉の山場に向けて、要求前進をめざして、たたかいを広げることを確認しました。

広島自治労連 定期大会ひらく
協力・共同ひろげ 憲法と地方自治守ろう

 広島自治労連は10月11日、東区のロードビルで第26回定期大会を開き、県内各地、外郭・関連団体の労働組合のなかまが集いました。
 冒頭、大畠委員長があいさつに立ち、「自分の父親は被爆者で、『戦争は絶対にしちゃいかん』と体験を語っていた。広島の人々が体験した思いを踏みにじる戦争法の強行は断じて許せない。すでに戦争法廃止に向けて、新たな動きが始まっている。安倍政権の暴走から憲法を取り戻す運動を進めていこう」と訴えました。
臨時保育士の待遇問題給食センター民設民営問題で発言
 大会討論では13名の代議員から発言がありました。広島市職労からは、保育園での臨時保育士の確保が困難になっている問題と、佐伯区の給食センター民設民営問題について発言。保育園支部からは、3か所の保育園で休日保育をしているが、臨時保育士の確保が困難で退職した保育士を呼び寄せるなど大変苦慮している。臨時保育士の待遇改善が急務となっている―と発言がありました。
 学校給食調理員協議会からは、給食センターの今回のプロポーザル方式は、先に計画が決まり、詳細を議会にはかる手順が省かれる。保護者にほとんど説明がないままに進められ、市民の市に対する不信感は増している。安全・安心でおいしい給食をつくる努力をこれからも追求するとともに、自分たちから情報を発信し、子どもたちやPTAなど給食のファンをまわりに増やしていきたい。と述べました。
 憲法と地方自治を守る活動を進め、共同をひろげて、安倍暴走政治を阻止しようと、2016年度の運動方針を決定し、大会を終えました。

人事評価制度
やる気出る? 出ない?

 本紙前号1面で、意向調査や人事異動に関わる春闘アンケート結果をお伝えしましたが、引き続き今号では人事評価制度についてのアンケート結果をお伝えします。

「意欲が高まる」 思わないが多数
 設問「B・評価結果に納得している」「F・もっと給料に反映させてほしい」は思うが多く、肯定的にとらえている方も少なくないという結果になっています。
 しかし、その運用に納得しているとは言えない数字が、このアンケートでは現れています。
 「D・仕事が進めやすい」「E・仕事への意欲が高まる」では、思わないとの回答の方が多く、人事評価制度が職員全体のモチベーションを向上させることにつながっていません(図(3))。

与えられた環境で左右される
 その理由としては、「G・業務の担当によって有利・不利がある」「H・評価者との関係に左右される」で約半数が「思う」と回答しているように、多くの方が「評価が公平に行われていない」と感じているようです。
 担当業務や評価者によって差が出ない公平な運用というのは、なかなか至難の業です。しかし、もう一方では「負担なので簡潔にしてほしい」という声も。
 成果主義でがんばる人の給料が増えるようにすれば、職員の意欲が上がるように思いますが、職員総体で見ると、不平不満や負担・ストレスを感じる人の方が多数となる可能性があります。人事評価制度そのものが、本当に期待される「成果」があるのか、慎重に見極める必要があります。