過去のご法話 | |
六月常例法座 | |
講師 田坂 亜紀子 先生 | |
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講師からのコメント
初めまして、美和町超専寺の田坂です。
本日はようこそのお参りでございました。
簡単に自己紹介致します。 |
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舎利弗、衆生聞かんもの、 まさに発願して かの国に生ぜんと願ふべし。 ゆゑはいかん。 かくのごときの 諸上善人とともに一処に 会することを得ればなり。(仏説阿弥陀経) 美和町から参りました田坂です。今日は、仏説阿弥陀経のお心を味わさせて頂きたいと思います。 仏教というのは「別れ」というご縁を大事にしてきました。 この別れを前提に説かれた経が仏説阿弥陀経ではないかと思います。 このお経は、お釈迦様が弟子の舎利弗に語りかける内容となっています。 舎利弗はお釈迦様が悟りを開いて二年以内に出会われた古い弟子であり、 智慧第一と云われる聡明な弟子であります。仏説阿弥陀経はお釈迦様の晩年、舎利弗が病気を患い、 故郷に帰る別れの前に説かれたと云われています。 その肝要は「倶会一処」であり、ともに一つの処(極楽)で会うということです。 舎利弗は別れを前にして難しい仏法ではなく、ともにまた会える世界があると説かれ、 大変うれしかったのではないでしょうか。 枕草子には「遠くて近きもの」として極楽と書かれています。 このことについて、分かり易いお話として、一休さんと蓮如上人の歌のやり取りがあります。 ・極楽は十万億土と説くならば、 足腰悪い婆は行けまじ(一休) ・極楽は十万億土と得なれど、 近道すれば南無の一声(蓮如上人) 蓮如上人が返された歌のように、阿弥陀様は遠くにある極楽に自力で来なさいという仏様ではありません。 任せるという意味の南無の字を名の前に付け、阿弥陀が必ずあなたを極楽に生まれ変わらせてゆくから、 任せてくれよと言っておられる仏様です。 煩悩を抱える私たちからすれば悟りの世界ははるかに遠く、 だからこそ阿弥陀様は私の一番近い所に来て下さります。 この私に近くにいる阿弥陀様の働きにより極楽への道が開かれていると、味わうことが出来ます。 仏説阿弥陀経の中に広がっている世界を味わいながら、 お勤めさせて頂ければ有難いことと思うことでございます。
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聴聞の心得 |
一、このたびのこのご縁は初事と思うべし |