過去のご法話
ご正忌報恩講法要
講師 釋 裕爾 

講師からのコメント

 歎異抄について少し説明させて頂きます。 作者は親鸞聖人の弟子の唯円と言われています。 歎異抄は、聖人の教えを正しく理解するために書かれています。 構成は全18章から成り、
  1〜10章:聖人の言葉
  11〜18章:間違った教えの歎(なげ)き
となっています。 まだ読まれていない方は是非、読んでみては如何でしょうか。
                   南無阿弥陀仏

  新年明けましておめでとうございます。 御正忌報恩講にようこそのお参りでございます。 本日は、前半に見て頂いた、親鸞聖人の生涯のビデオにも出てきた 「歎異抄」を引用しながら浄土真宗の教えについてお話し致します。
 浄土真宗の教えを「病人と名医」に例えますと、「病人」が、 煩悩を持つ私たちになります。その病気は、「死後の怖れ」という心の病になります。 この難病を治せる医者がおらず、皆苦しんでいました。 そこに、名医のもとへ導く案内人が現れました。 この案内人は、人としてこの難病を完治させた唯一の方で、お釈迦様になります。 名医とは阿弥陀仏であり、全ての人を救い、仏にするという本願により治療してくれます。 名医は「南無阿弥陀仏」という特効薬を持っており、 特効薬は聴聞することにより効能が発揮されます。 本願の疑いが永久になくなると完治となります。 この特効薬により完治すると無上の幸福に包まれます。 これを仏教では「無碍の一道」といい、煩悩がない唯一の世界と言われます。 歎異抄では、親鸞聖人が「弥陀の誓いは、ひとえに親鸞一人(いちにん)がためだった」 と無碍の一道を喜ばれています。名医とその案内人、 それらを伝えてくれた方々に自然とお礼の気持ちが表れるはずです。 この気持ちを言葉で表すと特効薬と同じ「南無阿弥陀仏」という念仏になります。 聴聞をして「その通りだな」と思った時にでる「南無阿弥陀仏」は特効薬の効能もありますが、 お礼の気持ちも含まれているのではないでしょうか。
 一月十六日は親鸞聖人の御命日となります。浄土真宗の教えを明らかにして下さった 親鸞聖人のご恩に感謝するのが報恩講であります。 親鸞聖人も喜ばれた特効薬であるお念仏を私たちも一緒に喜ばせて頂きたいと思う次第でございます。
南無阿弥陀仏
聴聞の心得

一、このたびのこのご縁は初事と思うべし

一、このたびのこのご縁は我一人の為と思うべし

一、このたびのこのご縁は今生最後と思うべし