仏の取材チームがホロコースト記念館で撮影

朝日新聞 備後版 9月25日より

 ナチスによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)の事実を伝え、学んでいる日本での取り組みを紹介しようと、フランスの3人の取材班が、福山市御幸 町のホロコースト記念館(大塚信館長)で取材を続けている。24日はホロコーストの学習をした地元の御幸小学校5年生の児童約30人にインタビューした。

 訪れているのは、パリで映像制作を学んでいるフランソワ・ユザンさん(28)ら3人。ユザンさんは2年前に来日した際、日本にホロコースト記念館があることを初めて知った。「それまで杉原千畝さんのことも知りませんでした」

 今月12日に再び来日。東京や杉原千畝の故郷である岐阜県八百津町の記念館を訪ね、21日夜に福山入りした。23日は、小学生〜高校生でつくる同館のボランティアグループ「スモールハンズ」を取材した。ホロコーストの学習や館内のガイドの仕方などを撮影した。

 「ここの記念館は小さいが、作り手の思いを強く感じることができる」というユザンさん。「近いうちに、私たちはホロコーストの伝え方を考 え直さなければならなくなる。これまでは身近にホロコーストからの生還者がいたが、やがていなくなってしまうからだ。日本の取り組みが、それを考えるきっ かけになれば」と話している。

 一行は29日まで滞在し、大塚館長へのインタビューなどを予定している。