要介護認定の有効期限の延長について

各地の認定審査会では、要介護認定は更新認定に入りまた忙しくなっています。
我々の審査会は昨年の準備認定での有効期限を6-10ヶ月と工夫して認定したため、7-8月は更新認定が少なくほっとした時期を過ごすことが出来ました。

別の自治体では準備認定でもほぼ6ヶ月の有効期限を守ったため、次々と更新になり事務局も審査会もあわただしい認定を行っているようです。

さて、10月に行われた平成12年度介護認定審査会委員研修で「要介護更新認定等の際の有効期間の変更について」と言う説明がありました。

内容は昨年厚生省通達で示されている「介護認定審査会の運営について」(平成11年9月13日厚生省老人保健福祉局長通知 老発第597号)と同じですが、今回の通達は下記のように、むしろ厚生省も有効期限の延長を認めたと判断できる内容でした。

「各市町付におかれては、第1回目の更新認定について、当面、下記の延長又は短縮の事例を踏まえつつ、申請者の状態が安定して継続すると判断できる場合には、有効期間の延長について事務局から認定審査会に対して意見を求めるなど、延長の是非について検討されたい。」 
「なお、その後に何らかの事由により状態が変化しても、要介護状態区分の変更・取消(介護保険法第29〜31条)により対応できるものである。」

そして具体的内容は
 第2回目以降の更新認定に向けては、更新申請者の状態を時系列に把握することが可能となることから、それぞれの更新認定後の心身の状況の安定性等を考慮しつつ、各市町村の認定事務の効率性も念頭において、認定の有効期間の設定のさらなる明確化を図っていくこととする。

○ 有効期間の延長を検討することが考えられる事例
 以下のいずれかに該当するもので、主治医の意見書・訪問調査の特記事項等からして心身の状況や病状が安定しており、介護の必要の程度が変化する可能性が低いと考えられる場合(事例1、2)
 ・要介護度の区分が準備段階における認定結果と同じであるもの
 ・準備段階における認定の区分より重くなったもののうち、要介護5などの重度で、現在提供されている介護サービスによっても改善する可能性が低いもの   

 なお、心身の状況や病状が安定しており、介護の必要の程度が変化する可能性が低いと考えられる場合であるか否かを判断する上で、介護老人福祉施設に入所していることや在宅で医学的管理の必要性の低いことに着目することも考えられる。

研修会でも上記のような説明がありましたが、当日はそんなに詳しい説明ではありませんでした。

有効期限を自由に延長出来ることは、審査会にとっても好ましいことで、むしろ最初から基本の有効期限を1年としても良かったのではないかと思っていました。実際準備認定の時期には有効期間は6ヶ月から1年で審査の時期と介護保険の開始に合わせて変えていたはずです。
 そして大半が6ヶ月以上の有効期間で何ら問題なかったと思います。

 6ヶ月の更新が1年になれば、認定審査にかかる費用は約半分で済みますし、委員や事務職員の時間的な負担も減ります。多くの調査員も本来のケアマネの仕事に専念できると思います。また更新するたびに認定が変わってゆく更新認定の判定結果の不満も減るものと思います。

 今後も認定審査を続けるのなら、要介護度の認定有効期限はもっと延長しても良いと思います。基本を1年間として、寝たきり度「Cランク」・痴呆度「IV・Mランク」の「要介護5」は更新不要としても良いのではないでしょうか。
 延長可能という通達でなく、「更新認定は有効期限を1年とする」と言う通達が欲しいと思います。
 それまで我々の自治体では今後積極的に取り上げたいと思います。

             平成12年11月15日 吉岡春紀


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