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fch 2012



vs神戸H 2012/5/19(土) ○ 3-2

試合前、プレビュー・メールがクラブ会員宛に届く。‘守備出身なので1-0は好きだ’との監督の発言が載った。ちなみに彼の名は森保一という。愛称をピンという。1-0が好きなもうひとつの理由に違いない。1-0で勝つと、僕には書きたいことがある。データを添えて準備している。75分まで1-0だった。チンタラとしたゲイムだった。このまま勝つくらいなら1-1になった方がいい、と思っていたらその通りになった。わずか5分後に逆転された。そしてドラマのカチンコが鳴った。脳天が痺れ、背筋が震え、全身の毛が逆立ち、涙が滲み、喉が割れ、五十肩を引きちぎって両腕が天を突く。日常生活でこんな体験をすることはそれ程多くはない。若い日の最高のセックスのクライマックスに似ている。3分後、24番にスイッチが入った。パスサッカーが冴えて同点だ。サッカーは常に9回の攻防だ、そんな名言が閃いた。野球の醍醐味を知る人には理解してもらえるはずだ。1-0のままのどんよりした勝利感が消し飛ぶ。ロスタイム、24番がヒーローになった。こんな一瞬に遭遇し共有するために、サポーターたちはここに集まる。もちろん僕が白い帽子を被っていたことは内緒だ。


vsC大阪NaA 2012/5/16(水) × 1-2

‘あなたの顔が浮かぶのよ’と、老婦人が言った。若い日、友達が外木場のコレになって一緒に食事をしたんだから、と小指を立てながら自慢した婦人だ。カープ愛に爛れた人々の集うこの辺りで、サンフレッチェ愛に溺れる僕は珍しい存在なのだろう。ニュースでサンフレの活躍を知って僕を思い出してくれる女が増えてしまった。けれど僕は嗜好を軸に群れるのは嫌いだ。サークルだの趣味の会だのの仲間意識が恥ずかしい。熱帯魚を楽しんでいた頃、ショップの店員とのレジでの寸話も避けたかったし、サンフレッチェのボランティアをしている隣ビルの同業者氏との、時折りのチイムやゲイムについての立ち話も実は逃げ出したい。カープ愛みたく、一喜一憂の喜怒哀楽に心身を投げ出せる単細胞な精神構造に生まれ育てば良かったなあ、と来し方を儚むことにももう慣れてはしまったけれど。勝利が最優先ではなく負けた方が良い状況もあることについて、しらふで彼らに理解を求めるのはあまりに酷だ。ましてそんな彼等に、ナビスコ杯とACLの私的位置づけや、プロスポーツ選手としての人生を素人審判に台無しにされる現状について説明するのはあまりに大人気ないというものだ。


vs横浜H 2012/5/12(土) × 1-3

筆力不足なのだろう。痴呆新聞はやたらと験を担ぎたがる。12年振りでアウェイの川崎や柏に勝ったと騒ぐ。験(げん)と騒ぐの漢字が同じなのは偶然ではないのだろう。けれど鳥栖や新潟に数年振りに負けた時はシンとしている。試合前は縁起の良さを並べるしか能がなく、負けた後で痴呆紙自身を反省しない。験と言えばホームで負けたその新潟戦。黒い帽子が黒星につながったのだと、僕は潔く反省をした。痴呆ではない証拠だ。あれかこれかと悩んだ末に今日は帽子を被らないことにした。竜巻の被害があった数日前から広島でも風が強く、そうでなくても丘の上のスタジアムの最上段はいつも風が舞う。どうやらそれが悪かったようだ。帽子の無かったことがこの完敗の一因かも知れない。無帽だったのだ。無謀だったのだ。6分で6番の技あり60m超超超ロングロビングシュートが決まった瞬間、誰もが勝利を確信するなど。無防備だったのだ。幸いにも(?) 来週末もホームで神戸戦。次は白い帽子を選んで行く、わけがない。神も宗教も迷信も縁起も、僕を構成する一部ではない。覚えていれば次も今日と同じ出で立ちで行こう。ユニクロの似たような柄のトランクスには印をつけておこう。勝てば神は死に、負ければ再度キリストは復活するか。しかし横浜の次が神戸とは。中華料理とともに教会臭が漂ってきそうだ。妙にキリストっぽいのが気にはなる。湯田温泉のお守りでも握りしめていようか。


vs柏A 2012/5/6(日) ○ 5-2

昨日、妻が柏餅を買った。1個\130で4個入パックだった。1個でもいいですか? と聞いたらしい。できれば2個からで、という店員さんと交渉が成立したようだ。僕の、‘試合は明日だよ’という忠告も聞かず帰ってすぐに2個とも食べてしまった。今日になって、2-0で勝つよと妻が予想した。昨日2個食べたからね、という理由だった。後半2分で2-0になった。すごい。12年ぶりにあの下品なスタジアムで勝てるのなら、柏餅くらい何個でも買ってやろう。2-1になった。しまった。柏餅はもうない。2-2になった。中継が見られないので、あの下品なスタジアムの熱狂の様子が余計に不気味だ。15分後、スコアは5-2になっていた。もしか内緒でもう3個、食べていたのかも知れない。アウェイだから勝点1でいいのではなく、玉砕覚悟で攻めた結果だろう。そういえば妻がこどもの日に柏餅を食べる理由を教えてくれた。柏の木は新芽が出るまで古い葉が落ちないため、「子が産まれるまで親は死なない」という子宝祈願の縁起かつぎなんだそうだ。子宝がゴールの数だとすれば首肯けないこともない。だがしかし一見良いお話し風ではあるが、「産まれれば死ぬ」という盛者必滅の理(ことわり)の裏返しなだけの気もしないではない。ACLなんかに参加して‘下等な暴力行為に心身を晒さざるを得ない’のは気が向かないと、前節に書いた。今の柏もその影響下に苦しんでいるのに違いない。サポの下品さではC国やK国にヒケはとっていないようだが、盛者必滅、今年は再びの降格を心配しておいた方がいいかも知れない。


vs新潟H 2012/5/3(木・祝) × 0-1

GWだし天気も良いし、絶対に勝つしゴールシーンはいっぱい見られるし、ことによると6-0だし、一緒に行こうか? と誘った妻が‘0-0か1-1に決まってるわよ’と言った。マスコミもファンも選手も、みんな上から目線でナメているのだから、と言った。その通りになった。否、それ以下だった。鳥栖戦の再現映像のような負け方だった。おかしい。紫のシャツは身に着けたし、靴下も白にした。いつもの店で観戦前の寄り道ラーメンも食べたのに、見事な負け方だった。相変わらず若い子の使い方が下手ではあるが、それでもこんなのは初めてだった。そういえば…違っていたことがあった。新調した帽子をかぶっていた。家政婦のミタ以来のブーム(だと思う)のアーミー帽を買ったのだ。仕事にちょうどいい。黒い帽子だ。黒い帽子。くろいぼうし。黒帽子。くろぼうし。くろぼし。黒星…。敗因はやはりこれか。とまれ、2位などという尾てい骨のこそばゆい位置ではなくなってひと安心(負けても3位)。いくら絶好調だからと、頼むからACL圏内が目標だなど、マスコミは持ち上げないでくれることを望む。今季のACL予選リーグもやはり、サッカーとは名ばかりの下等な暴力行為に心身を晒さざるを得ない出場チームの惨憺たる結果に、我が身が切り刻まれる思いなのだ。いつか、ACLからC国とK国が駆除された日には、その時こそ正々堂々とスポーツを楽しむために3位くらいを目指してみてもいい。


vs川崎A 2012/4/28(土) ○ 4-1

日頃からナンセンスだと感じていることのひとつに‘焼き立てパン’がある。これは僕がパンの存在を軽視していることとは無関係だ。焼き立てパンはパンが焼き立てであることをウリとしている。焼き立てはふんわりと柔らかく且つ粘っこく、コシもあって更に風味豊かでとても美味しいようだ。ところがせっかくの焼き立てパンをその場では食べない。朝早く買ってきた焼き立てパンを時には翌朝に食べることがある。手打ち実演の蕎麦も、打ち立て麺のうどんも、僕たちはその店で味わう。せっかくの焼き立てパンが家に持ち帰る頃にはもう焼き立てでなくなっている。それなのに嬉々としている女たちが僕には不思議でしようがない。川崎戦は2005年4月から勝っていない。アウェイ勝利は2000年3月まで遡る。相手監督が風間八宏氏になった。…「天敵」「鬼門」に「宿命」という要素が加わった。…とは痴呆新聞の記事だ。ところがまるで焼き立てパンのように(?)、そんなデータとは無関係な二人が前半にゴールを入れた。16番はそもそも川崎から2010年に移って来たし、9番は大宮から今年来たばかりだ。これで浦和、鹿島、G大阪、名古屋、川崎と続いたビッグクラブ相手の5試合を4勝1分で終えた。しかも計11得点3失点だ。ホームで負けなしの3勝1分。全8試合で5勝1分2敗。上出来すぎて何だか怖い。「神田川」みたいだ。それとも「じゅん&ネネ」か。


vs名古屋H 2012/4/21(土) △ 1-1

一週間前、ベストアメニティスタジアムDJの劇画チックな語り口に思わず赤面したのだったが、今日はまさしく彼の言った‘ヒリヒリ’する空気が漂っていた。0-1の後半ロスタイム4分の表示。2分ほどが過ぎた頃、身支度をして立ち上がった。いつもの席から通路を歩いて出口まで、観戦しながらゆっくりと歩く。ホイッスルと同時に駅に向かうと車内がゆったりとする。この頃、満員電車が少し辛くなった。マイボールだ。ラストワンチャンスあるだろう。僕は立ち止った。24番がフリーだ。左足で持っている。彼は右利きだ。鈍いシュートがわずかな弧を描いてゴールに向かった。バーに当たって跳ねた。下向きに跳ねた。ゴールラインの内側に落ちた。ゴールネットが揺れている。何ということだ。ロスタイム49分の同点ゴール。こんな一瞬に立ち会える間はスタジアム通いを止められるわけがない。24番は福山市で生まれた。幕山台に生まれた。幕山台に居た女の家で僕は寝たことがあった。1986年4月6日に生まれた。まだKと切れていない頃だ。再婚をする前のミッシングリンクのような人生の谷間、24番は別の男と女の幾夜を経て生まれた。頑張り屋で寂しがり屋で悔しさが顔に出る子だ。昨年の震災後の「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ」でカズに抜かれて、マジ悔しがった男。30歳になる前のまだ突っ走っている只中の僕が居たその同じ時に、君の産まれたての真っ白な心と身体は、1986年のあの田舎町の空気を吸うことから始めていた。


vs磐田NaA 2012/4/18(水) × 0-1

アウェイの専用スタジアム(そういえば2節の清水戦もそうだ)、メディアによると前の試合と同じ負け方だったようだ。一方的に攻めながら決定機を決められず、大まぐれのゴールが入ってしまった。同じ日にバルサが負けた試合と似ている。相手が引きこもっているのならそれはそれでいい。僕はそんなチームを好きにはなれないだけだ。ただ、前の試合の後で書きそびれたのは選手起用。鳥栖戦はここ10年間、約2000試合を見てきた僕にも初めて(だと思う)の経験、両チームにオフサイドのなかったゲイム。飛び出さなかったのか出せなかったのかはともかく、負けているのに交代枠を使い切らなかった監督のバランス感覚を疑う。選手起用は勝敗の左右よりもチーム作りの生命線として判断するべきなのだ。単なるスポーツではなく一人ずつの人間の人生、35歳で引退した後の残りの人生を預かる覚悟の上の采配でなければならない。G大阪戦で跳ねた18番を使わないのは何故だろう。ことによると、あの後の彼の言動が監督の癇に障ったのかもしれない。運動部の若者から有頂天と自惚れと慢心と天狗鼻とを削いでいったい何が残るだろう。鳥栖戦で18番を待望した願いは裏切られた。今夜はナビスコ。どうでも良い試合。18番の出番は来なかった。ナビスコとなでしこは何故か似ている。暴発寸前に違いない18番のギンギンになった飢頭を誰かが、なでしこしてやれるといい。も十八、繁ちゃんの出番だ。


vs鳥栖A 2012/4/14(土) × 0-1

実は僕のアウェイ観戦、昨年から3連敗だ。神戸、福岡、そして今夜の鳥栖。敗因は明白だ。僕が足を運んでいるのは、サッカー専用スタジアムだからでもある。ホームゲイムでは味わえない臨場感が良い。ことによると選手にはそんな不慣れな環境が具合悪いのかも知れない。サポーターの野次への免疫不全なのかも知れない。今ヒロシマでは旧市民球場跡地の活用方法が議論されている。例によって行政は優柔不断のままだ。来年の「菓子博」などというくだらないイベントが終わるまでに結論を出さなければならない。僕たちファンは専用スタジアムをと希望を伝えている。実現すれば選手の心身に抗体が生まれて強くなるかも知れない。実現すればもうひとつ良いことがある。そこは僕の職場から歩いて数分なのだ。敗因のもうひとつは神戸、福岡、鳥栖はウチを相手にするとホームゲイムでありながらドン引きしてくる。今夜も同じで、まぐれの一発が入っただけの菓子博に劣るとも勝らないくだらないチームだった。ただ、そのような戦術の相手の守備を崩し切れない未熟さがある。メッシを買えば良いのだがそうもいかない。イブラヒモを買ってロングボールで打開すれば良いのだが、そんな名古屋みたいなのは面白くない。なんのことはない、今のままで良いのだ。そもそも全試合に勝てるわけもないのだし。


vsG大阪H 2012/4/7(土) ○ 4-1

今夜2点とればJ1通算100ゴール、J1J2通算150ゴール(リーグ3人目)という記録を目指した11番が前半でその2点を入れて2-0の折り返し。森永ダースのビターを3個とコカコーラGEORGIAのカフェオレで寒さをしのいだハーフタイムの3分後に2-1となってそして、その20分後にPKを与えた。遠藤ではなく知らない子が蹴った。GKが止めた。遠藤ではなかったからかもしれない。そして監督が驚きの手をうった。11番を18番に替えたのだ。残り15分ある。11番の負傷と慢心。18番の練習と飢餓感。僕はこの指揮官を少し見直しつつある。18番はJrユースからの子で、2007年にトップに来た。前監督の下で3年やって徳島に奉公に出された。去年は東京Vへ移った。5年後、新監督とともに広島に帰ってきたのだ。10分後、3点目を彼が入れた。10分前に一瞬静まったスタジアムが歓喜と歓声に揺れた。3分後、再び彼のゴールがネットを揺らした。弱体化して再建途上だとはいえ、G大阪相手にこんな試合ができるようになったと心身が顫えた。次節は鳥栖戦。僕も鳥栖へ行く。恒例の神戸観戦が今年は最終節の12月1日(土)で、翌日が資格試験予定日になった。行かないと決めてはいないが、去年不合格だった資格試験への意地もある。そしてまた映像でみる「ベストアメニティスタジアム」の美しさも魅力だ。調べると、JR鳥栖駅から徒歩数分なので神戸よりも近いし安い。久留米もすぐそこ。久留米ラーメンも舌と鼻の先。これで来週一週間を生きていく張り合いができた。


vs川崎NaH 2012/4/4(水) △ 1-1

ナビスコとバナナは若い方がいい。山口百恵に【青い果実】という歌があるが、あくまでも果実なのであって女が若い方がいいとは限らない。僕は熟したバナナが嫌いだ。スウィートスポットが老人の皮膚に浮いた染みに見える。バナナの皮は黒い斑点が皆無の真っ黄色がいい。果肉は固くて弾力の無いカチンコチンの●●●のようなモノがいい。食べると青臭くて噛み応えのあのくらいがいい。‘青臭い’と青春の青は同じだ。ナビスコは青いサッカーが似合う。川崎は斑点の浮いたメンバーできたけれど、開幕メンバーから半数を入れ替えたウチのカチンコチンの●●●のような若者が躍動し律動し精力を解き放った。実は今年の目標はJ1残留だ、とは前節分に書いた。だからナビスコ杯はどうでもよい。今はまだ二兎を追う余裕はないはずだ。どうでもよくはないが、若手の出番にしてもらいたい。協会の定めるベスト何とか制度ギリギリの範囲で、或いは前監督のように確信犯的ルール違反でもいいから、多くの青い子たちを見たい。そう思って仕事終わりにスタジアムへ直行した。わくわくした。今年35歳になる35番が辛そうだった。一世風靡セピアになっていた。そういえば山口百恵には【惜春通り】という最後のシングルがある。なんだか身に染みて辛い。


vs東京A 2012/3/31(土) ○ 1-0

実は今年の目標はJ1残留だ。Jリーグが導入を決めた「クラブライセンス制度」が転換点だった。クラブ運営について、施設や育成だけでなく健全な経営状態も要求されることになった。簡単に言うと‘累積損失や赤字が増えるとJFLに降格させられる’というのだ。20億円以上の累積赤字経営で尚且つ単年度黒字も期待できないウチの会社が思い切ったのが「減資」という断崖絶壁作戦。これまた詳細には無知だが、出資してくれていた人のお金が紙クズになったのだそうだ。そうまでして損失をチャラにして赤字経営から抜け出さないとクラブそのものの存在の危機だったのだ。だからペトロ君を手放した。ベテランや外人や伸び悩み若手を切り離した。監督を素人の新人にした。しかも今季は魔の2012年シーズン。過去2002年と2007年に降格、今年はその「等差数列的5年目」あたっている。というわけで今日のアウェイでの勝ち点3は大きい。3連勝中でACLでもグループ・リーグ首位の相手に完勝した(多分)。新生立衿ガンバは今日も勝てなかったようだ。このまま早く一週間が過ぎればいい。


vs鹿島H 2012/3/24(土) ○ 2-0

試合日程が発表された時、ホームゲームの相手が浦和、鹿島、G大阪、名古屋と続くのを見てため息が出た。ところが始まってみると浦和はあんなもので、鹿島もG大阪も2連敗で監督更迭話までささやかれている。やはり新監督のチームは再婚妻の心理と同じように、前任者のスタイルを引き継ぎながらも(と、体裁を保ちながらも実は)、前の女の残り香を消し去るのにヤッキになるのだろう。女の場合は鍋釜を全て新調し、バスタオルを捨てカーテンを変え、相談のないまま部屋がいつの間にかすっかり変わってしまっていても、胸がチクリとするのを我慢すればそれで平和に過ぎていく場合が多いけれど、新監督の場合はそう簡単なものではないはずだ。10年も続いた西野体制やジーコ&ブラジル代表の歴代の監督の後を受ける荷重は大変なものに違いない。対戦するならむしろ今の内、ペトロ君の浦和がまだ過渡期であったように、鹿島もG大阪も今なら怖くないぞと臨んだ一戦。やはりその通り、鹿島はまだ攻撃の連携がかみ合っていなかった。こんなにスムーズに、怖さを感じないまま鹿島に勝ったのは初めてかもしれない。一発レッドを誘い、2点目を入れた25番が目立った。一所懸命だった。新若き天才29番がホームでデヴューした。数分だったがパスの軌道が艶めかしかった。程久保高校野球部監督のような人心掌握は絵空事だが、前任監督の手が届かなかった部分に少しは光が差して来たかもしれない。


vs清水A 2012/3/17(土) × 1-2

先週の開幕前、入場者が30,000人を超えたら18年ぶりだと新聞が煽った。29,600人だった。1994年に前期優勝した当時は、Jリーグブームの真っただ中で景気も悪くはなく、29,600人など歴代7番目だそうだ。今日の朝刊に意外な記事が載った。開幕連勝ならやはり18年ぶりで、開幕2試合連続無失点ならクラブ初だというのだ。前節の勝利後、浦和が実はアウェイの開幕戦史上未勝利と知って驚いたのだったが、ウチのは少しくショボいデータに感じてしまう。しかし、スタートして早速に「無失点」を煽るとは相変わらずの幼稚さだと辟易した。結果はやはり2失点の敗戦。連勝も零封もともにならなかった。れんしょうとれいふうのイニシャルを文字ればさしずめ、あれれ、なのだろう。或いは、Re;Re、でもいい。ペトロピッチ以前のあの、守備的退屈試合の繰り返しへのReturnかよ、と「いやな感じ」に襲われた。負けたことを言うのではない。5番のゴールがあったし、新若き天才29番のデビューもあった。問題は、前節も今日も、交代枠を1人残した監督の意気地のなさだ。勝てば良いということではない。「選手は使わなければ上手にならない、使ってもらわなければ選手でいる資格がない」とは、チャンドラーがマーロウに言わせた名言に決まっている。「さらば愛しき監督よ」、と僕の慕う浦和は柏に勝った。新監督君、近いうちに君に‘長いお別れ’を言うことにならないことを心から祈って、いるわけではないが。


vs浦和H 2012/3/10(土) ○ 1-0

まるで全てを直接の引鉄となった‘夢のような性悪女’のせいにする離婚のようだ。魅力的な女に溺れて家を出ていくまでに、夫婦の間はすでに壊れていたのだとしても、直近の美しい女を矛先として裁判所は調停を試みる。妻は献身的だったか、出産を理由に肥満を放置して来なかったか、慎みや恥じらいを放棄してしまわなかったかなどは、性悪女との出張を偽った温泉旅行の証拠を前にして、裁定に影響されることはない。まるで不倫相手の痺れるような香水の残り香だけが印象に焼き付くように、マン・オブ・ザ・マッチにGoalを決めた11番が選ばれた。いつになったらこの国のサッカー文化は、マスコミは、例えば今日であれば5番や8番を賞讃できるようになるのだろう。或いは少なくとも14番にスポットライトを捧げなければ、彼らの来季の浦和への移籍を止めることは出来ないはずだ。週明けには五輪出場をかけてU23の代表が最終予選を戦う。勝つか引分でOKというが、そもそも前節に転がり込んだ結果だ。それまであまりにも浮かれ過ぎていた代償を最終戦に払うことは、むしろこの国のサッカーの将来のためにはいいかも知れない。五輪には出られるという驕りが僕を不快にする。A代表もまた、早々に最終予選進出を決めた驕りから2連敗した。W杯もまた、そろそろ出場が途切れる方が、むしろこの国のサッカーの将来のためにはいいかも知れない。W杯には出られるという驕りが僕を不快にする。いつまでたっても点を取った場面やGKのファインセーブだけを飾り立てているのは幼稚だ。特に今日の5番に対する賞讃と敬意を、せめてチーム内でだけでも明確にしておいて欲しいと思うよ、新監督様。


no Real 2012/2/5(日)

興味深い類似を見つけた。僕が宣材物制作に携わっていた往時。社会に出て、モノ創りの過程と結果を知り初めた頃。カメラマンやデザイナーやコピーライターやプランナーや、例えば一枚のポスターを作るために色々な職人の様々な意向が交錯した。彼等の意向とスポンサーの意向を擦り合わせるのが仕事だった。その中間益が会社に必要だった。多くの場合、スポンサーの予算は限られていたので、会社の利益は二通りだった。目標通りかそれ以下か。利益には率と額があって、売上高が多ければ率は低くても良い傾向だった。会社員だった僕は両方の意向を活かしたかった。特にクリエイター達の意志を容れる程に会社の利益は減った。ポスターの文字の色を赤にするかオレンジ色にするか、そんなことで交わす議論が消費者を動かすのだと信じていて、時間の経過は経費増につながった。それでも内容に満足したかった。右から左のブローカー的な営業方法を蔑んでいた。会社員だった僕の給料は下がらなかったし。独立して僕が会社そのものになった後、色などどうでもよくなった。赤でもオレンジでも誰も見ていないし買物行動など知ったことではなかった。クライアントさえ許可すれば可能な限りの利益を欲した。ブローカーになった。幸か不幸か時代はバブル経済で、それでも質を落とし過ぎることのない程度の予算があった。僕が会社そのものだった最晩年にはもうモノ創りすら無駄だと判断した。一定の額を手に入れるための最短経路しか頭になかった。去年から今年にかけて幾度ものクラシコを見ていて僕は、哀しいけれどモウリーニョに自分が透けた。違うのはバブルの有無。大きなウム。彼の人心掌握や人員配置や会見弁明はことごとく裏目を出した。質と利益の両方を得続けているグラウディオラと利益だけさえ逃しているモウリーニョ。サンフレッチェは僕の会社ではないので、僕は利益を無視し続けていられる。お願いだから利益優先のありきたりなチームにしないでいただきたい。たとえ過度の赤字がチームを降格させてしまうとしても、僕の人生の終盤のように。


or REDS 2012/1/22(日)

やはり危惧した通りになった。危惧なのか杞憂なのか期待なのかわからなくなっている。下記の元旦に書いたものを読み返してみた。3月10日の開幕戦の相手が浦和になった。協会の客寄せ作戦だろう。浦和にはペトロ君の愛児一号の陽介がいる。移籍してからの2年、殆ど活躍しておらず代表にも定着できなかった。今季は愛児二号の槙野がドイツから落ち延びてきた。勇んで行ったものの使ってもらえず‘ペトロ君の下の方が自分の力が出せる’と言い訳した。代表では補欠だが、プレイ(試合)よりもプレイ(宴会)要員のようだ。けれどこの三人が束ねられると正に「三本の矢」の効果があるに違いない。今もまだ年パス購入を見送っている。新聞には現時点で昨シーズンの半分以下の売れ行きだと載っていった。当然だろう。魅力が感じ取れないのだ。ペトロ君の哲学と愛児一号二号とあのサポーターとあの資金力と…。開幕戦は楽しみではあるが、どちら側に身を置くのか、まだ当たり前のように決まってはいない。これは僕だけではないはずで、会社はもう少し危機感を表面化しておいた方がいい。


so Carp 2012/1/1(日)

昨年末、色々あってやはりペトロ君が浦和の監督に就任した。2009年にそれまでとは正反対のサッカーをしようとフィンケ氏を監督に呼んだ時から、いずれこうなるとは思っていた。2011シーズンのホーム最終後のセレモニーで、『サヨナラは言いません。なぜなら、私はまたここに来て、みなさんと一緒に仕事をするような気がする。だからまた会いましょう』と言ったけれど、早くも2012シーズンでここへやって来ることになった。開幕戦で当たれば面白い。ところがウチのチームの新監督の正体が不明のままだ。森保一という名前は知っているが現役時代の記憶はなく、一度スタジアムですれ違った時など、そこいらのサッカー親爺でオーラの欠片も感じられなかった。何となく嫌ぁな予感がするのは僕だけか。というのも彼こそ広島という地の真骨頂である‘ご当地もの’の神髄で、いわゆる‘はえ抜き組’の見本。全国的には2流3流でも、とりあえず中央の世に出た途端、この地ではスターになり上がる。嘗ての山本浩二が今もまだ‘神’であるように(…知らなかったけれど地元ではそうらしい…)、国民栄誉賞に輝いた衣笠氏が監督になれないのはご当地者ではないからか!?のように、そしてまるで地元の夜の繁華街では知られているご当地者演歌歌手みたく、まさに僕の恐れていた、「2流(無能)であることを客観視できない地元のスター」が監督になってしまった、、、のかもしれないのだ。あれ? 何だろうこの既視感は。確かに知っているぞもう一人。同じく‘お地元様’で‘はえ抜き’という美しそうな日本語に保護された無能な監督を僕は横目で見ていたぞこの数年。この二人、住み家が近くて仲が良いらしい。益々のマイナス要因。実は2012シーズンの年間パスを購入していない。迷っている。監督どころか、チームのまだ何も伝わってこないのだ、20億円の赤字のための減資以外は。