深き虚空からの伝承



第二章の5


猛き腕を持たざるも
真の知恵を持たざるも

飽くなき野望持たざるも
耐える心を持たざるも

己が技を磨きつつ
ただ求め与えれば
やがて大きな力となり
其が魂を光らせる

妖しく 美しく 艶やかに
疾く 激しく 果てしなく

これもまた 命の遣取り
そしてまた 今を生き抜く

真に自由たるものには
真をさらけ出すものには

他が誰すらも かなわず
他が誰すらも 好く

其が命 賭けし時
其が命 絶たれし時
彼の者は 彼の操者は

泣くのか

悔やむのか

それとも

何も思わぬか

彼女の名は「ミリ」。
全てにおいて自由なる
真に優しき女性。


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