深き虚空からの伝承



第二章の3の補


ねーちゃんが すきだ。
この世の中で いちばんすきだ。

ねーちゃんとおなじ髪の色。
ねーちゃんとおなじ白さの肌。

いつか わたしも、
ねーちゃんのようなグラマーなボディに
なりたいな。

そんなねーちゃんが、
病気になった。

お医者さんも、
なおせないらしい。

どうしよう。

ねーちゃんが死ぬのはいやだ。
ぜったいいやだ。

だから、いっぱい泣いた。
ずっとずっと泣いてた。

でも、なにか声がきこえた。
だれもいないのに、きこえてきた。
その声は、「俺様が助けてやろう」と言ってた。

だれの声かわからないのに、なんだか安心できた。

世界一たいせつなねーちゃんなんだもん。
きっと、その声の人が、助けてくれるよ。
ねーちゃん。

ミル・ヨークス


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