深き虚空からの伝承


序章

「それ」は全てであり一つである
一つゆえに他を知らず
全てゆえに孤独である

その時
「それ」は全てのもととなった

全ての他は「それ」にあらず
全ての他は「それ」より出づる
全ての他は己が手で生き
全ての他は「それ」のために生きる

泡沫(うたかた)の命は永遠(とわ)を望み
永遠(とわ)の命は泡沫(うたかた)の夢を見る

光と闇
生と死
二律背反の理(ことわり)も
全てが一つなればこそ

全てのもと
白き巨鯨
「それ」の名は
ルドラサウム。
開闢にして終焉の場所。



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