KL−1200の修理

まずは最初に入手した、KL-1200からです。
欠品だらけで、なかなか売れずに投げられていたものですが、妙に修理意欲をそそられるものがあったのと、ネームランドが\500なら、と思って入手しました。

1.裏ブタ作成とバッテリ交換
テープが裏に入るタイプのネームランドでは、裏ブタに重要な役割があります。裏ブタでテープを押さえているため、フタがないとほとんど使い物になりません。また、中古品ではあたりまえですが、ニッカドバッテリおよびバックアップバッテリが完全に消耗していました。

これが購入したときの状態です。一応、18mmの布転写用カートリッジが付属しているという、なんだかよくわからない状態です。同封の紙に「フタナシ、アダプタなし、動作不明」とあります。動作不明ということは、動くかも知れないという要素大有りという判断です。 
 

まず、電源からチェックしたところ、まず電池がヘタっていて、外部電源なしでは動作しません。左図の右側のSANYO CADNICAがもともと入っていた単三5本のバッテリ、左側がジャンクで見つけた3本入りバッテリパック2組です。右下はバックアップ用のCR2032です。ジャンクバッテリを組み合わせて5本にすれば、使えるはずという目論見で買ってきました。

見てのとおり、裏ブタはありません。一応、動作確認用に12mmのテープも買ってきましたが、裏から押さえておかないとテープサイズが認識できないし、印刷時はフタで押さえられるレバー(左写真の下のほうに飛び出しているもの)があり、これが印字ヘッドにテンションを掛けているため、テープカートリッジとレバーを何らかの方法で押さえておかないと、印字ができません。

まあ、無いものは作るしかないですね。

あと、テープカッターの刃もありませんでした。これはどんなものがついていたのか良くわからないので今回は対処しません。はさみかカッターナイフがあればなんとかなるので、良しとします。

裏ブタの材料ですが、アクリルでは加工が難しそうだったので、スモークの塩ビ板を使うことにしました。

塩ビ板なら比較的簡単に曲げ加工ができます。まず、もともとついていたカバーを想像しながら、曲げるための余白を考慮して切ります。一辺は本体に差し込んで固定、二辺は本体にあわせて曲げて、本体側ラッチにうまくはまるようにすれば一番いいと思います。
問題となるのはこのラッチ部分です。ここにうまく嵌るようにしないと、輪ゴムかテープかで止めるしかないですね。
ガスコンロやはんだこての熱を駆使して2辺を曲げて、要所要所に塩ビ用接着剤で塩ビ版の細切れをくっ付けてうまく嵌るようにします。

テープカートリッジが動かないように(かつ押さえてやらないとテープのサイズ検知がうまく動かないので)スポンジテープで押さえます。一応、こんな感じでフタができました。テープ幅でカートリッジの厚みも異なるので、スキマ用の分厚いスポンジテープを使っています。

見た目、ラッチでうまく止まっているように見えますが、ちょっと手があたっただけで外れてしまいます。残念ながら接着テープを併用しないと、うまく固定できません。

次にバッテリです。へばったバッテリと同じ本数になるようにジャンク単三ニッカドパックをばらして、5本組みにします。コネクタ部分だけ、もとのバッテリから切り取って繋ぎます。
ネームランドの中に入れます。あたりまえというか、ぴったり収まりました。
とりあえず、使えるようになりました。定電圧電源から7V程度を供給していますが、ちゃんと充電され、問題ないようです。

電源はその後、7.5VのスイッチングタイプのACアダプタを見つけ、DCジャックを交換して使っています。NAMELANDは充電回路を本体に持っているようなので、繋ぎっぱなし充電でもOKみたいです。

2.裏ブタ作成その2
KL−1150の裏ブタに期待していたのですが、厚みがぜんぜん違ってそのままでは使えませんでした。しかし、ラッチの構造が全く同じだということがわかり、型取りくんとプラリペアで作ってみました。

上が私が塩ビで作った裏ブタ、下がKL-1150の裏ブタです。ラッチの部分はそっくりで、そのままつかえそうです。
 

KL-1150の裏ブタ(ラッチ部分)を型取りくんで型取りをしました。なお、型取りくん使う場合、しっかり冷ましてから使わないと、曲がってしまいます。気をつけましょう。

プラリペアで補修するため、塩ビで作った裏ブタのラッチ部分を大きめに切り取ります。

型取りした型を裏からあてがって、マスキングテープで固定します。

プラリペアを流し込み、固まったあと型取りくんをはずし、リュータやヤスリを駆使して調整したところです。
これは裏側で、中央部分の「引っかかり」がポイントです。ここにある程度の厚みがないと、本体側に嵌めたとき、ガタついたり、すぐ外れたりするようです。
さらに、ガタつきを押さえるために「自由樹脂」を使って補強します。
ペレット状の自由樹脂をお湯でやわらかくし、かたまりにしておいて塩ビに押し付け、さらにNAMELANDに押し付けて型をつけた後冷やすことで、ぴったり密着させることができました。(写真の黒いものがそうです)
なお、塩ビと自由樹脂、あんまりくっつかないので塩ビ用接着剤で貼り付けてあります。

出来上がった裏ブタを嵌めてみると、もうピッタリです。以前のようなテープで止めたりする必要はありません。


3.カッターの刃交換
このNAMELAND、本来はあるはずのカッターが無いので、いちいちハサミが必要なのです。じゃあ、カッターだけ手に入るかと思って調べると、カタログにはありそうなのですが、売っているのを見たことがありません。ほとんどあきらめていたのですが、出張の帰りに秋葉原に寄ったとき、な〜んと見つけてしまいました。
見つけたのは若松通商で、CASIO製品が大特価販売されているあたりに「ひっそり」とありました。(CASIOのデジカメQVシリーズ用ラベルプリンタが激安で売っていましたが、さすがにシリアル接続のプリンタは欲しくないです)

これで曲りなりにも全機能が完全に動作するようになりました。



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