子ども英語教室の運営

How to Manage Your English Class

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How to Manage Your English Class

 

1。はじめに

大切なこと

子ども英語教室を初めて開設するにあたって、皆さん、さぞどきどきされていることでしょう。子ども英語教室を運営するにあたって、一番大切なことって、さあ何でしょう。場所・教材・お月謝など、悩むことも多いことですよね。

一番大切なことは、子ども英語教室の達成目標を明確にすることだと思います。「ええっ、そんなことやってみないとわからない」と思われるかもしれません。達成目標に沿った指導計画を持って指導していると、途中で計画変更ができるので、とてもいい指導ができます。
「どんな子どもが来てくれるかわからないし・・・」とおっしゃる気持ちもごもっとも。やんちゃな子、大人しい子、おしゃべりな子、どんな子どもであっても、先生の一つの指導計画の中で英語力をつけることができます。

達成目標をたてるために、第一に、何年か後に、生徒達がどのようなことができるように育って欲しいか考えてみましょう。「これくらいできなければいけない、っていう基準があったら、さっさと教えてほしい」とお感じになるかもしれません。実は、子ども英語教室の達成目標は多様で、「これができなきゃ、教室としてダメ」という基準があるわけではありません。だったら、「やってみて、ベストな結果が出れば、それでいいんじゃないの?」と感じられることは当然です。私の体験からいうと、それでは、指導に費やした年月がもったいないのです。

指導計画

私の子ども英語教室「子供英語」の指導計画をご覧下さい。年齢と指導内容がおおまかに決まっています。どこまで達成するかは、子ども達が英語学習を開始する年齢が一番影響します。小学校高学年で英語を開始すると、理解が早く、文字もどんどん書けるので、すぐにアルファベットが読んだり書いたりできるようになります。それでは、幼稚園で英語学習を開始した子どもの特質とは何でしょうか。幼稚園から小学6年生まで継続した子どもは、誰でも自然にリスニング力がつき、文字が少しずつ読めるようになり、話し相手に対してアイコンタクトを取って話せるようになるのです。そんな風に育ってほしいと皆さん思われることでしょう。でも、このようになるためには、1回1回のクラスを大切にしていかないと達成できません。小6になった子どもを前に、「ああ、小4の時に戻ってほしい」と望んでも無理ですよね。

私には、失敗したなあ・・・と感じた体験があります。幼稚園年中から英語学習を開始したクラスで、ある子は年中から小3まで文のリピートが苦手で、クリスマス発表会のお芝居の短いセリフでも「・・・、えっ、何だっけ」と言っていました。私はその子に「英語が苦手な子」というラベルを貼ってしまいました。その子のためにクラスの進度はどんどん上げない方がみんなにとっていいクラス、と考えました。その子がついていけるような指導計画を立て、ゆっくりと学習していました。ところが、その子が小4になったころから、ちゃんとリピートできるようになりました。小5小6と成長するにつれ、クラスで一番よくできる存在となっていました。

この体験から気づいたことは、クラスで一番できる子も苦手な子も一緒にできる指導計画の枠組みを作り上げることです。言葉の力は、言語体験を蓄積することによって、確実に伸びて行くのです。1つのアクティビティの達成レベルを一番出来る子や苦手な子に照準を合わせるのではなく、全員をほめることができるよう、幅を持たせましょう。また、入会したてのビギナーから小6までの指導計画をたてておけば、先生はそれに沿って指導していけばいいので、とても「楽」です。指導計画の通りに指導する時は、次の2点に気をつけましょう。

  • きっちりと計画とおりに進めようとおもわないこと
  • 1年に1冊のテキストやワークブックをするペースにこだわらないこと

「ええっ、だったら、指導計画なんて必要ないじゃない」と思われたことでしょう。私の指導計画をご覧になってください。指導計画は、小6になったら、「自分について考え、それを英語で話したり、書いたり表現してほしい」「短い英語の物語を楽しんでほしい」という達成目標をたてています。計画に沿うことは、達成目標を実現するための方略の1つにすぎません。

「テキストやワークブックをすることで英語力をつけるのでなければ、何を基準に指導計画を遂行するの?」という疑問をもたれることでしょう。小6でどんなことができるようになって欲しいかが明確であれば、1回1回のクラスの進度にとらわれず、常に小6になった時の姿を思い浮かべて指導できます。つまり先生が理想を持つことが一番大事なのです。

理想を持つためにどうすればいいのでしょうか。クラスで一番英語が得意な子が1年後にどのようなことができるように成長していて欲しいか、これはイメージしやすいのではないでしょうか。リスニングが得意な子、読むことが得意な子、話すことが得意な子、一人一人を思い浮かべてみましょう。これで、子どもが英語を学習した時、どんなことができるようになるか明確な目標を持てます。
次にそれぞれの技能がクラスで一番苦手な子を思い浮かべましょう。この子達は、クラスの足を引っ張っている訳ではありません。4技能全てが得意な子はいません。何らかの手助けが必要な時があります。苦手な子がスムーズに課題を終えるための手助けやヒントを考案しておきましょう。そうすれば、課題をさせる時に、先生が子どもに与えるべき手助けやヒントを事前に準備できます。これは便利ですね。こうやって準備した手助けやヒントは、意外と他の課題にも役立ちます。手助けやヒントが必要だった子どもが、ある日何の手助けもいらなくなります。こんなときは、とても感激します。

ほめましょう

さらに、指導計画に季節のイベント(クリスマス発表会、絵本コンテストや英検受験)を取り入れ、1、2ヶ月の間そのイベントに向けて子ども達が工夫や努力をさせてみましょう。イベントに向かって作業している時は、普段のテキストやワークブックをする時間が充分取れませんが、イベント終了後通常クラスに戻った時、子ども達の成長に気づきますよ。

さらに、年齢があがり知的にも体力的にも成長すれば、先生が予測している以上に、英語を読んだり書いたり話したり聞いたりできるようになっていて驚愕します。クラス全員が少しでも前回より、1ヶ月前より、半年前より、できることが増えたり、理解が高まったりする指導によって、全員の英語力が自然に高くなります。

子ども達は、先生をちゃんと観察していて、一人一人をほめて認める指導をしていると、先生を信頼してくれますよ

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