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 「工業」を問う   福山市立水呑小学校 教諭  粟村啓史

 5年生社会、「工業」の単元の最初である。
 最初に「工業」の意味を知ることから始めた。

(発問1) 「工業」の意味を説明しなさい。

 子どもたちからは、☆ものを作る仕事
             ☆機械などを使って物を作ること
             ☆工場で働いている人たちのこと
             ☆工場でする仕事
             ☆鉄や車などを作ること
 などの意見が出された。
 その後、国語辞書を使って意味を調べさせた。約半数の子が発表した。そしてその後、次のように説明した。

(説明1) 材料(原料)を加工して物を作る生産活動や産業のことを「工業」と言います。

 この後、この日のメイン発問をした。 

(発問2) 「工業が」成り立つためには何が必要ですか。必要だと思うものをすべてノートに書きなさ
      い。時間は5分間です。

 5分後、発表させた。子ども達から出た意見を次々と板書していった。

   ☆工場・設備
   ☆人・人手 → (労働力)
   ☆機械・道具
   ☆土地・土
   ☆鉄
   ☆お金
   ☆材料・原料                                           害を出さない
   ☆薬品                                        輸出入    設備
   ☆電気                              ☆教育       ↑       ↓
   ☆水                                ☆県や国の協力 → 対策(公害・騒音)
   ☆火                                ☆技術
   ☆石油                              ☆海
   ☆ガス                               ☆船     ☆タンク
   ☆あぶら                             ☆許可    ☆信用
   ☆原油                              ☆輸入    ☆住民の理解 ←→ 反対運動

 実に多くの意見が出た。しかも、よい意見が続出したように思えた。原材料や労働力、輸出入や公害についてまで考えが及んでいる。単元全体の学習内容があらかた含まれているように感じた。
 続いて次の発問をした。

(発問3) まず一番に必要なものはなんだと思いますか。

 この発問で大いに湧いた。自然な形でちょっとした討論になった。(「討論」とはおこがましいが、結構全員が参加しての「言い合い」にはなっていた。)

  ☆工場・設備
  ☆人・人手
  ☆機械・道具
  ☆お金
  ☆材料・原料
  ☆教育
  ☆技術
  ☆許可
  ☆県や国の協力
  ☆土地
  ☆住民の理解
  左記の項目に意見が出されたが、「必要である」・「必要でない」の言い合い
  が続き、次第に次の、次の三つに意見は集中していった。
  
     ○土地
     ○県や国の協力
     ○住民の理解

  私は、どれもみな必要なものだが、まず「土地」をおろそかに考えることはできない、と伝えた。


 二時間近くを費やした。子ども達は真剣に考え、真剣に意見を言い合っていた。
 なかなか充実した、楽しく感じる時間であった。

                                                      
                                                    

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