尾道支部

代表 江頭 正

 入渓の前には、神に祈りをささげたりして、儀式めいたことをやる。大きい一匹、きれいな一匹、とにかく一匹、という意味でなく、イメージとシチュエーションを大事にするためだ。もっとも釣果にはあまり影響がない。よく冷えたワインと前菜がおいしすぎるのといっしょで、儀式を盛り上げすぎ、本番がおろそかになるのかもしれない。

 でも万が一、おっちょこちょいな魚がこちらのもくろみ通り飛び出したら、何のためらいもなくメインディッシュになり、早起きしたご褒美になるのだからやめられない。さて、支部の現在のメンバーは5人。私が勝手に入会を勧め、メンバー登録を出し、「ハイ、あなたは今日からAPのメンバーですよ」てな具合に。だからメンバーとしての自覚もないかもしれない。でも魚のこととなれば、見る、飼う、釣る、食べる、食べ方、料理の仕方までうるさい人ばかり。あれこれプレッシャーをかけると機嫌が悪くなるのでそっとしています。

 さてそんな支部の母体になったのが「尾道淡水魚同好会(OTD)」。結成のきっかけを書かせてもらいます。

 15年ほど前、病気がきっかけで沈んでいたときに、現在OTDの会長T氏に熱帯魚の飼育を勧められた。元もと好きな方なので直ぐその道にはまってしまった。それで、熱帯魚からなぜ日本産の淡水魚に興味が移ったかというと、熱帯魚の餌取りに田んぼに出かけたのがきっかけだった。

 「メダカでも」と思っていたら、ひと網の中に見たことのない魚が入っているじゃないの。百科事典で調べてタイリクバラタナゴと分かった。知らなかった。見たことも聞いたこともなかった。そして百科事典にはいっぱいの日本産淡水魚が載っていた。はまってしまった。

 暇を見つけてアミとバケツを持ってあっちこっちに行くたびに、「僕も私も連れてって」と仲間が増え、そうしてできたのがOTDなのです。

 川を大切に、自然を大切に、生き物を大切に、それが会の趣旨である。これをお題目に居酒屋さんや焼肉屋さんに集まっては、あーでもない、こーでもないとやっとるわけです。これが尾道支部の母体なのです。

 さてAPですが、できの悪い支部で残念ですが、これからも気を引き締め直し、ちょっとでも役に立てるように頑張ります。見捨てずに長い目で見てやってください。最後にこれからもよろしくお願いします。


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