洞窟の分布と生長

 洞窟にも人間と同じように一生があります。もちろん早く成長を止める洞窟もあれば、長い間成長を続ける洞窟もありさまざまです。洞窟の形態や溶食形態ななどから、洞窟の形成の歴史を探ることが出来ます。
 洞窟には高い山の上にあるものから水田のレベルより低く水が詰まっている洞窟もあります。水流がある洞窟は今でも成長が続いています。高いところの洞窟は、水がなく、成長が止まって、埋没期に入っています。水のない洞窟でも、高い所ほど古い洞窟と考えられ、高位石灰洞、中位石灰洞、低位石灰洞と区別されました。
 秋吉台の台上には竪穴が、周囲の低いところには横穴が分布しています。そして、竪穴の多くのものは、中位石灰洞のレベルから低位石灰洞のレベルまで下がり、レベルから形成時代を区別する事が出来ないことが分かりました。このことは次のように説明できる事が分かりました。
 中位石灰洞と低位石灰洞は同じ時代に成長が始まり、最初は高低差の大きな大きな洞窟が形成されました。低位石灰洞が成長を続け大きくなると、地下水面は次第に下がり、中位石灰洞の成長環境は失われて行きます。竪穴の大半は化石ポノールとして、台上にぽっかりと口を開けています。
 現在、地下水面は低位石灰洞付近にあり、そこでは洞窟の成長が続いています。地下水の河川争奪なども頻繁に起こって、現在の秋吉台の水系が形成されたことなども明らかになり、地下水の研究から洞窟の形成史も調べる事ができりようになりました。